特集<行動しよう、私たちの未来のために>

  いま、地球が直面する気候変動問題。豊かな環境を守り次世代に繋ぐため、脱炭素社会への転換は先送りの許されない喫緊の課題です。県は、これからの時代を担う若者のリーダーシップに期待し、都道府県として初めてユース世代を「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)」に派遣。世界と日本の現状認識を深めるとともに、若者が行動することの意義を訴えました。

若者が世界に発信

  昨年12月、ドバイ首長国で開催されたCOP28。鳥取県内の学生3人が使節団として参加し、日本政府が設置したジャパンパビリオンでのプレゼンテーションに臨みました。日本人の環境意識が他の国に比べると低いと言われる現状を踏まえ、価値観の転換の必要性や次世代を担う若者が意識を高め行動することの重要性などを提起。協力しあえる仲間を求め、世界に向けて交流を呼びかけました。
  ユース世代のCOPへの参加は、世界的に見れば珍しいことではありません。ですがこれまで日本からの派遣は稀で、都道府県主体の派遣事業は今回が初めてでした。県は、新しい時代を切り拓く若い世代にこそ世界を体感してもらうべきと、学生派遣を企画。国際機関イクレイ(持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会。125か国以上2,500以上の地方自治体が加盟。2023年10月に鳥取県も加盟)の後押しも得て実現に漕ぎ着けました。

学生使節団の3人の写真
学生使節団の3人。会場のエキスポシティ・ドバイにて
(右から)
米子工業高等専門学校2年 小島 翼さん
公立鳥取環境大学4年 横山 椋大さん
公立鳥取環境大学3年 三谷 菜摘さん

経験糧に歩み進める

  プレゼンテーションのほか、先進自治体であるトゥルク市(フィンランド)市長との面談や、専門家をゲストに招いてのトークセッション生配信を実施。さらに各国の行政関係者や学生、研究機関等との意見交換を行い、現地でも注目を集めました。
  こうした活動を通して、各国のさまざまな取り組みを学ぶとともに、「立場や文化の異なる世界中の国々が同じゴールを目指す難しさも肌で感じた」と話す使節の三谷さん。「私たちに何ができるのか、鳥取県にどのような形で還元できるかを模索したい」と意気込みます。化学を専攻し研究する小島さんは、「目指す未来を描き、そこから逆算して今ある技術をどう発展させていくのか。広い視野で研究開発を進めることが重要だと感じました」と自身の将来像も見据えて語ります。そして、「人の意識が変わらなければ社会は変わりません。それを自分たちの世代が積極的に発信していきたい」と力強く締めくくったリーダーの横山さん。この経験を糧に、若き使節たちが脱炭素社会実現に向けた推進力となることが期待されます。

プレゼンテーションの様子
鳥取の若者が世界に向けて連携を呼びかける

トゥルク市長ミーナ・アルヴェ氏との面談の様子
トゥルク市長ミーナ・アルヴェ氏との面談。世界的な先進自治体のトップの声を聞く極めて貴重な機会に

他国ユースとの意見交換の様子
他国ユースとの意見交換。知識の豊富さ、意識の高さを実感し身が引き締まる

鳥取県が企画したトークセッション生配信の様子
鳥取県が企画したトークセッション生配信には、東京都特別区長会を代表して来場された葛飾区長青木克德氏(左端)も参加
写真 葛飾区提供

まずは仲間づくりを

使節団リーダー 公立鳥取環境大学4年
横山(よこやま) 椋大(りょうた)さん

横山椋大さんの写真

  使節募集を知り、応募を即決しました。私は環境問題を社会問題の側面から捉え、発信するジャーナリズムに携わりたいと考えています。それに向けて自身を成長させられるまたとない機会だと感じたからです。
  現地では、「仲間づくり」を強く意識しました。世界の多くの国では、若者こそが宝であり課題解決に向けた主役だと捉えられています。脱炭素社会実現を目指す仲間たちとネットワークを築き、学び、視野を広げることが重要だと考えました。
  今回の滞在では自分自身の知識不足も痛感しましたが、この経験は大きな財産。自分たちの世代が脱炭素社会に向けて旗を振っていくんだという気概を持って、今後も自分にできることを追求していきたいと強く思っています。

環境施策の先進地へ

  県は、環境と健康を守りながら快適に賢く住まう「とっとりエコライフ構想」を提唱し、「トットリボーン!」の愛称で推進を図っています。自然豊かな地域特性を生かし再生可能エネルギーの導入を推進しながら、電気自動車の普及促進や、高断熱・高気密の健康省エネ住宅「NE_ST」の導入促進など省エネ型のライフスタイルへの転換を進めることで、無理なく脱炭素社会の実現を目指します。
  気候変動問題は、温暖化の進行による自然環境への影響に加え、豪雨や猛暑などといった自然災害の激甚化との関連も指摘されています。原因となる国内の温室効果ガスのうち約6割が個人や家庭に起因するとの分析もあり、個々人の行動が及ぼす影響は小さくありません。私たち一人ひとりが環境問題に目を向け、行動することが今まさに求められています。

トットリボーンのロゴ
  CO2削減の取組が「ボーン!ボーン!」と上がって、環境施策の先進地としてREBORN(レベルアップ)する。そして取組の輪がリボンのようにつながる意味を込めたロゴマーク。CO2の文字をリボン化し、青丸でゼロを表現

COP28学生派遣報告会

  COP28会場での活動報告を映像などでご紹介するほか、支援機関を交えたディスカッション、次のアクションへのキックオフを予定。
期日 2月16日(金)
場所 鳥取市内

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COP28学生派遣報告会のQRコード

【問い合わせ先】 県庁脱炭素社会推進課
電話 0857‐26‐7205 ファクシミリ 0857‐26‐8194
脱炭素社会推進課のQRコード



 

 

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