現在、県庁などから排出されるPSDは年間で約11トン。PSDは紙への再資源化が難しいため、これまでは全て焼却処分されていました。
しかし、PSDは、
○水分を含まず、雑菌が繁殖しにくい
○保温性が高い
といった牛舎の敷料に適した特性を持つうえ、敷料として使用した後は牛のふんや尿と混ざることから、堆肥の原料としても活用することができます。そのため、県では数年前から実用化に向けて検討してきました。
そして、県衛生環境研究所と県農業試験場の分析調査により、紙や紙に含まれるインクの成分などが、牛や土壌に与える影響もなく、安全であると確認されたため、平成17年11月から畜産サイドへの本格的な供給を始めました。現在は主に鳥取県畜産農業協同組合の哺育牛舎で利用されているほか、個人農家の利用も増えてきています。
一般に、牛舎の敷料にはオガクズやもみ殻などが使われますが、PSDを利用する場合、敷料にかかる経費はかなり削減されます。その上、年間を通じて安定供給されることから、畜産農家のメリットも大きいものと思われます。
個人情報の適正な管理が求められる中、今後もますます増加が見込まれるPSD。有効利用が進めば、廃棄物の削減や資源リサイクルに繋がるとともに、牛にも優しく、畜産農家のコストも下げられるとあって、「一石三鳥」の取組みになるものと期待されています。