【喜多原学園の理念】
子どもが自立し、社会と調和して生活することを支援する。
子どもが自立するには、子どもの心に「自信」や「自尊感情」が生まれることが大切である。
そして、子どもが社会と調和して生活するには、社会に対して「安心感」や「帰属意識」「貢献感」を得ることが大切である。
【喜多原学園の支援方針】
(1) 安定した生活と、子どもの自主性を大切にする。
(2) 個別支援と集団支援のバランスを大切にする。
(3) 学園が有する環境を大切にする。
(1) 安定した生活と、子どもの自主性を大切にする
子どもの心に自信や自尊感情が生まれるために、子どもに安定した生活を提供しなければならない。そのためには、職員が一人ひとりの子どもを受容し、真摯に向き合い、理解し、関係を深めることを心がけることが大切である。職員と子どもとの関係性だけではなく、常に子ども同士の関係性、職員同士の関係性(子どもを支援する上での組織的な関係性)を考え、深めていくことで、初めて子どもの生活の安定性を確保した支援が可能となる。
また、子どもの自主性を大切にして、学園生活において発生する約束事は、出来るだけ少なくするよう心がけなければならない。やむを得ず、約束事を設ける場合も押し付けや管理のためではなく、子どもが気持ちよく生活するために必要なルールという認識を職員も子どもも持つことが必要である。
(2) 個別支援と集団支援のバランスを大切にする
子どもの社会性を培うための支援のあり方として、個別に支援する方法も重要であるが、従来から言われてきた集団として支援する方法(グループワーク)も重視すべきである。個別に支援する方法と集団として支援する方法は、車の両輪であるため、どちらに偏重しても支援はうまく行かない。
個別支援によって、子どもの自信や自尊感情を育み、子どもが持つ自立する力を引き出すと共に、良い影響を与えられる集団作りを行い、その集団に子どもが帰属意識を持ち、安心して過ごせる居場所となるよう支援することが大切である。集団が持つ影響力も活用しながら、子どもが生活の中で他者を尊重し、集団に貢献する気持ち、問題を解決する力などの社会的スキルを学び、社会と調和して生活することができる土台を身につける支援を行う。
(3) 学園が有する環境を大切にする
喜多原学園には、豊かで美しい自然環境があるが、この自然環境も含めて、学園の物的環境(寮舎、校舎、グランド、体育館など)や人的環境(職員、子ども、家族、関係機関など)を大切にし、職員が率先し、子どもと共にこれらの環境の整備や調整に心がける。そうすることで、学園全体に一体感が醸成され、園内が愛情と理解のある雰囲気に満たされる。
結果的に、学園の環境は、子どもの健全な育みの場として、理想的な空間となる。
子どもは、そこで生活することによって、自然と自信や自尊感情が生まれ、社会に対しての安心感や帰属意識、貢献感を得ることとなる。