子ども達が地域社会においてどんな役割を果たしてきたか、宝木の菖蒲綱(しょうぶつな)行事(鳥取市気高町)、酒津のトンドウ(同)、淀江日吉神社のヨイトマカセ(米子市淀江町)という事例から検証し、今後の課題を考えます。
刊行 平成22年3月
頒布価格 500円
体裁 A5版 111ページ
著者 坂田 友宏・靏 理恵子・原島 知子・樫村 賢二
頒布窓口 次の各窓口で頒布します。
委託販売窓口
- 鳥取県立博物館(鳥取市東町2丁目124)
- 鳥取市歴史博物館(鳥取市上町88)
- 株式会社今井書店8店舗(吉成店・湖山店・倉吉今井書店・パープルタウン店・本の学校今井ブックセンター・錦町店・アプト店・境港店)
※県外の方、そのほか窓口で直接購入することが困難な方については、配送による頒布もお受けします。詳しくは、「刊行物の購入と発送のご案内」のページをご覧ください。
目次
はじめに(坂田 友宏)
第1章 鳥取県の民俗行事に見る子ども組(樫村 賢二)
1 民俗行事の中の子ども
子ども組の役割と構成年齢/子どもと神の親近性/遊び仲間と子ども組
2 子ども組の衰退
近代教育制度との衝突/行事の衰退と変容/子ども組行事再考
3 宝木の菖蒲綱行事
国の重要無形文化財「因幡の菖蒲綱引き」/少年団とヤド/ショウブ降ろし/綱作り/各戸回り/綱引き/相撲/綱の奉納
4 子どもの自主性とその重要性
子どもの自主性を重んじる/宝木の菖蒲綱行事に見る子ども組行事の課題
第2章 地域における子ども組行事継承の諸問題 ―鳥取市気高町酒津のトンドウ(原島 知子)
1 伝統行事の直面する諸問題
厳しい状況にある伝統行事/江波の三番叟/越路の雨乞踊
2 酒津のトンドウ行事
地域の概要/行事の流れ/子どもの果たす役割/子どもの組織
3 社会変化とその影響
子どもの組織/親世代と地域の関わり/次世代への継承に向けて
4 まとめ
第3章 子ども行事の再編と活性化 ―淀江日吉神社のヨイトマカセ(靍 理恵子)
1 生活の中の民俗
現在の問題理解のための学問/生活の中に根ざす民俗/伝統の強調と深い愛着/祭礼継続のエネルギーとメカニズム
2 米子市淀江町日吉神社神幸神事
地域の概要/祭礼の運営組織/祭礼前の練習と社会関係の形成・維持/町内ごとの役割と行列の構成/祭礼の「華」/変化したもの、生成されたもの/子ども奴の創設/女子・女性の参加/祭りの裏方(支え手)の広がり/「大きな付録」
3 祭礼が日常生活にもたらすもの
暮らしにリズム/人と人のつながりを作り出す機会/非日常の楽しさ/学校以外の場での評価と達成感
4 ヨイトマカセの盛衰
存続の危機となった諸契機とそれへの対応/淀江大火のとき/太平洋戦争のとき/昭和40年代/昭和50年代、Uターン者も含めた再興の動き/ヨイトマカセの二つの目的
5 祭りを支える力としての社会的基盤
社会集団の厚み/インフォーマル・グループ(非公式なグループ)/キーパーソンの存在
6 まとめ
参考文献/写真提供者・調査協力者/あとがき
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