8月1日から3日までの3日間、日没から日出にかけてクロマグロの仔魚(しぎょ)ネット調査を実施しました。
仔魚とは稚魚より更に幼い時期の全長1センチ程度の個体の事を言います。
限りある資源を持続的に利用するためには、産卵時期・産卵場を把握し、管理していくことが必要となるため、本調査はマグロの仔魚を採補し、推定した仔魚のふ化日数から潮流を逆算し、マグロの産卵時期・産卵場の特定を目的としています。
調査海域は鳥取県の沖合を全13点調査します。
採補するネットは、国と石川県・島根県・鳥取県とともに連携して調査を実施していますので、形状や寸法は決まったものを使用します。
投網前の様子です。
巨大なタモといった感じでしょうか。
ネットの枠の直径は2メートルあり、乗組員と比較するとその大きさが分かります。
このように夜間、海表層を一定のスピードで10分間曳網します。
10分後、ネットは甲板上でキレイに洗い流し、ネット内の付着物を下方に集めます。
採補されたものは、海草類や浮遊物などの不要なものをできるだけ取り除き、
1リットルのサンプル容器に入れます。
こちらが採補したものになります。(エタノール保存)
容器の中をよく見ていただくと白い糸のようなものが見えます。
これはイワシ類のシラスや動物プランクトンのヤムシです。
これらを水産試験場へ持ち帰り、中からマグロの仔魚を探します。
因みに昨年は同調査海域で体長約5から8ミリ(日齢13日程度まで)の仔魚を8個体採補しました。
今年は昨年を上回る個体を採補できていたらと期待しています。
今回の調査も何事もなく無事終了。
海況にも恵まれ、イカ釣りの漁り火に癒された乗組員Sでした。