今回は、いつもよりボリュームを増して記載します。
この日、目立ったのは大漁のシイラ。シイラ漁は、シイラが物陰に集まる習性を利用し、竹を束ねた「漬け木」を沖合域に設置し、これに蝟集したシイラを疑似餌で誘き出し、まき網で漁獲する伝統漁法です。
今の時期は、「上り」シイラで、対馬暖流に沿って北上する群れ(大型主体)が漁獲されます。
現在、鳥取県漁協浜村支所で1経営体のみの操業しかありませんが(しかも1人漁)、シイラは夏を呼ぶ魚の一つですので、今後も継続していただきたいところです。鮮度の良いシイラはうまいですよ。
現在、好調な水揚げをしているのは、刺網のマダイと、一本釣のキジハタ(あこう)、イカ釣のスルメイカ(賀露以東の網代)です。
新型コロナウイルスの影響で、マダイは魚価安が顕著でしたが、まだ乱高下はあるものの通常の相場に近づいています。高級魚の一つであるキジハタもコロナ禍の影響を受けた魚種ですが、旬を迎え、相場はある程度の水準を維持するようになっています。
スルメイカは、最小規格のバラ(東部ではピチ)規格が主体ながら、25,30,40入も出ています。
一方、もう一つというところが、ケンサキイカ(白いか)で、漁獲量も例年より少なめで、しかも水揚げが良かったり悪かったりと、漁獲が安定していません。若干、県中西部で良い話も出ていますので、今後に期待です。
あと、小型底びき網(小底)のムシガレイ(紋がれい)の漁獲量が減ってきています。資源状態は良い見込みなのですが、漁場に沈降している砂混じり海藻による操業の支障や、例年より高い底水温が影響していそうです(小底が曳綱の長さで限界となる水深130mより深い海域にいそう)。
ついでに小底で今が旬のカレイ類を紹介します。上記のムシガレイは煮つけがお勧めで、以下のマコガレイ(口細)、メイタガレイ(本めいた)は刺身がお勧めです。夏のマコガレイは、ヒラメより高値で取引されます。
あとは目についた魚を紹介します。
夏泊地区小型定置網で巨大なヒラマサ(13kg)が出荷されていました。
また、キジハタ釣の際に漁獲されたコブダイが3尾ありました。コブダイは雌性先熟で、小さいときは雌で、大きくなると雄になり、立派なおでこと下あごが出てきます(今回の漁獲物はすべて雌でした)。
夏が旬のイサキ。白身の魚としては脂質含有量が非常に多く、おいしいです(特に焼き魚)。
イガイは夏季に出荷量が多いですので、酒蒸しや吸い物でご賞味いただければ、磯の香が楽しめると思います。