今回は沖合底びき網(トロール網)の漁期前調査を行いましたので、その様子をご紹介します。
主なターゲットは漁期始めの漁として期待されるハタハタです。
本調査はお盆を挟んで2週に分けて実施されましたが、それぞれの調査に鳥取県が認定するスーパー農林水産業士の取得にかかるインターンシップとして、境港総合技術高校の海洋科の2年生が2名づつ乗船し、1週目は1泊2日、2週目は2泊3日(共に操業回数7回)の漁業実習を行いました。
漁業実習としてトロール網の網入れ網揚げの作業の様子を見学し、揚がった漁獲物を乗組員と一緒に選別し、重量測定や体長測定(パンチング)も一緒に経験してもらうと共に、船橋にて操船の様子や甲板作業の様子も見学してもらいました。
食事は3食乗組員と同じ物を食べ、朝も早朝から操業に参加するなど、航海中は乗組員とほぼ同じサイクルで活動しました。
写真はトロール網の網入れ網揚げ作業の見学の状況。網やワイヤーには大きな力が加わりますので、乗組員は十分に気を付けて作業を行います。学生達も緊張感を持って見学している様子でした。
揚がった漁獲物を魚種別に選別する様子。乗組員や引率の先生に魚種の説明を受けながら選別作業を行っていました。普段スーパーに出回らない魚種も揚がる為、初めて見る魚も沢山いたようでした。(学生は写真中央から右2名)
操業地点によっては大量のハタハタが入網したため、選別作業も大変でした。
体長測定(パンチング)も学生が行いました(写真左)。写真はヒレグロ(ベラガレイ)の体長測定の様子。
シマメイカの体長測定(パンチング)の様子。イカとカレイ類など魚種によってパンチング位置が異なりますが、魚種別に手際良く作業を行っていました。
慣れてくると率先して作業を行っていました。
アカガレイの雌雄選別の様子。乗組員に雌雄の見分け方を教わっています。(学生は写真中央)
鳥取県の食卓でお馴染みのアカガレイですが、これまで食事の際、オスメスを意識した事は無かったかもしれません。
汚れた甲板をデッキブラシでこする様子(左2名)
航海中に船橋に上がり、操船を見学している様子。出入港作業の見学や、レーダー等の計器類の取り扱いの説明も受けました。
普段学生達の乗船実習で使用する練習船若鳥丸とは船橋の様子も違いますし、新鮮だったのではないでしょうか。
連日の猛暑の中での調査となり、学生の体調が心配でしたが、無事に実習が終了して良かったです。
普段学生達の乗船実習で使用する練習船若鳥丸にはトロール網の装備が無い為、全てが初めての経験だったと思いますが、一生懸命実習に取り組んでいましたので、この経験を将来に生かしてもらえれば幸いです。