ベニズワイガニの稚ガニをターゲットとした桁網調査を実施しましたのでその様子を紹介します。
水産試験場では2年前から新たな調査として、ズワイガニの稚ガニの採捕を目的とした桁網調査を実施しているところですが、今回更に桁網に調整を加え、ベニズワイガニの稚ガニの採捕する調査を実施しました。
桁網とは下の写真の漁具です。ソリの付いた四角い枠に網を取り付け、海底を曳くことにより枠に入ってきた生物を網で採捕します。
これまで桁網の調査実績があるズワイガニの生息水深が200メートルから300メートルなのに対し、ベニズワイガニは更に深い水深800メートル付近が生息水深です。
本船ではこの水深帯での曳網経験は無く、うまくいくか若干の不安はありましたが、現場での試行錯誤をあって無事に調査を終えることが出来ました。
10分間の曳網後、網を揚げると狙い通り底物の漁獲物が揚がりました。混じっている砂利はしっかり海底を曳けた証拠です。
漁獲物を選別すると、底引き網でお馴染みの赤ガレイやノロゲンゲ、赤エビの中にターゲットのベニズワイガニの稚ガニが見つかりました。
ベニズワイガニはズワイガニの稚ガニに比べ、甲の棘がしっかりあり、眼は黒く大きいそうです。
小指に乗るサイズで、網の目合いが細かくなければ網を通過して逃げてしまいますので、試験船で無ければお目にかかることは出来ない貴重なサンプルではないでしょうか。今回調査がうまくいきましたので、今後も継続して調査することが見込まれそうです。