認知症になっても地域で安心して暮らせる まちづくりを目指して
2023年5月9日
【監修】鳥取大学医学部認知症予防学講座(寄附講座)浦上克哉教授 認知機能を改善するためには、日々の生活でどんなことに取り組めば良いのでしょうか? そのヒントを得るために、今回、鳥取大学の浦上先生に「認知機能が改善した人が行った生活習慣の見直し」についてお伺いしてきましたのでご紹介します。
運動不足は認知症をもたらす要因の一つです。 身体をあまり動かさない家族を見ると「少しくらい運動しなさいよ」と言いたくなりますよね。でも、一方的に言っては上手くいかないものです。 そういうときは「これから散歩に行かない?」と誘ってみてください。一緒にやってくれる人、背中を押してくれる人が近くにいると、運動に取り組みやすくなります。 実際に、友だちから運動に誘ってもらっているうちに身体を動かす習慣が定着し、認知機能が改善した方がいました。 運動するときは、散歩やジョギングのような有酸素運動だけでなく、筋力運動(筋トレ)も一緒に行いましょう。特に高齢になると、無意識のうちに足首が上がりにくくなり、小さな段差で転びやすくなります。椅子に座ったまま足首を上げ下げするだけでも立派な運動になります。 鳥取県が作成した「とっとり方式認知症予防プログラム」で筋力運動をご紹介していますので、家族や友だちと一緒に取り組んでみてくださいね!
とっとり方式認知症予防プログラム
下記のURLもしくはQRコードから、とっとり方式認知症予防プログラムの筋力運動(動画)が見られます
https://www.youtube.com/watch?v=JGmJXMuVpUo
新聞に載っているパズルにチャレンジ!
認知機能の改善には、頭を働かせることも大切です。
もし購読されている新聞にパズルが掲載されていたら、ぜひ取り組んでみてください。もしくは書店でパズル雑誌を買うなどして、定期的に頭の体操をしてください。
もっといいのは、人と一緒にパズルやゲームをすることです。例えば孫とボードゲームをしたり、インターネットで対戦ゲームをしたりすると、頭の体操だけでなくコミュニケーションをとることにもつながりますので、おすすめです。
頭の体操に関して、印象的な実例があります。おばあさんが広告チラシをちぎってバラバラにし、ジグソーパズルのように組み立てていました。それにお孫さんが興味を持たれて、一緒にやるようになりました。家族のコミュニケーションが増え、楽しい時間を過ごした結果、認知機能が改善しました。
他者とコミュニケーションをとる時間を作ろう!
コミュニケーション不足は認知症の大きな要因です。
コロナ禍で外出を制限・自粛していた時期におすすめしていたのは、手紙やハガキによるコミュニケーションでした。認知機能が低下していたある方は、絵ハガキを出すようになってコミュニケーションが増え、認知機能が改善して、元気になりました。
メールやLINEなどのSNSによる連絡が多い中、あえて手書きした手紙やハガキは心がこもった感じがして、送る方も送られる方も嬉しいものです。
これからは感染に気を付けながら、対面で多くの人に会ってコミュニケーション(会話やふれあい)をとる機会を積極的に増やしていきましょう。
他者と過ごす楽しい時間は、認知機能の改善にも良い時間となります。家族や友だちと誘い合って、そのような機会をたくさん作るようにしてくださいね!
長寿社会課 2023/05/09 | コメント(0)
Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000