表層トロールによるマアジの稚魚調査を実施しました。
稚魚を採集して本年の新規加入状況を調べます。平たく言えば稚魚がどれだけいるかです。それを調べれば、稚魚が成長した時期にどれだけ獲れそうかっていうのがわかりますよね。
トロールとは口を大きく開けた網を船で引いて魚を捕らえる漁法のことです。
オッターボードと呼ばれる金属製の凧みたいな物で網の口を強制的に広げるのですが、魚を取りすぎて生態系に影響するため、日本海では営利目的の操業は禁止されています。
本船では調査を効率良く実施するため使用します。
今回はその投網作業を簡単に紹介していきたいと思います。
こちらは網レッコー直前の写真です。
レッコーっていうのは英語でlet go (レット ゴー 放て)から来てるようです。船では割とよく使用する言葉です。左奥にいる乗組員が船長の合図に従って網を放します。
ちなみに船尾に吊るされている白い板がオッターボードで、表層トロールの場合はアルミ製のものを使います。形状からわかるように船が前進する時の水流を受けて左右に広がります。
徐々にトロールウィンチから網が繰り出されていき、上の写真は網の間口が出てきたところになります。
赤く見えるのは網が縦に開いているかどうかを船橋で監視するために取り付ける超音波センサーです。
先述の縦に対して、こちらは横にどれくらい開いているかを監視するセンサーです。網幅センサーとかスプレッドセンサーと呼ばれてます。
今回は海の表層をターゲットにしてますので、沈み込まないようにフロートを取り付けます。
この時点ではまだオッターボードは船尾にぶら下がったままです。
最後にオッターボードを取り付けて、操業開始です。
作業は重量物を扱いますし、網を引くワイヤーにもかなりの力がかかりますので、常に安全を心がけて実施します。
以上が投網作業の大まかな順序になります。
操業中は取り付けたセンサーを監視しつつ、網が水深15メートルから20メートルの位置にいるよう調整して30分間曳網します。
表層トロール調査の場合どんな魚が入るかというと
今回の調査では多い所で約1300尾のマアジ稚魚(約3センチ)が獲れました。
続いて、以前紹介したマイワシニューストンネットも実施しましたので、その際に多折クレーンの全景を撮ってみました。
右の方に写っているのがクレーンの操縦者です。まるでロボットを遠隔操縦するような感じですねぇ。鉄人28号。伸びろ、鉄人、なんて、違うか。
それにしても今回はずっと波が穏やかで調査日和でした。こんな日ばっかりだったらいいのに。