ROVによる魚礁の撮影を実施しました。今回は民間業者さんと共同で調査を行います。
ROVってなんだ、って文章で説明するより見て貰ったほうが早いと思います。
こちらです
大きさはだいたい1.5メートルぐらいで前後にビデオカメラがついてます。
海中を探索するためのいわばラジコンみたいなもので、プロペラは全部で5個ついてます。
ROVはRemotely Operated Vehicle の略だそうです。
オレンジ色のケーブルがアンビリカルケーブルと呼ばれるどこかで聞いたことのある電源供給・信号伝達ケーブルです。
水中で緩んで結ばれたりした場合、中心の光ファイバーが折れてS2機関のないROVは沈黙しますのでケーブルワークが重要となります。
次に魚礁とは?です。
水深約250メートルの海底に設置するコンクリートブロックで、陸上で撮影された時の写真が下のものになります。
1辺が5メートルもあります。
魚礁にも種類があり、今回撮影を行った魚礁は『増殖礁』と呼ばれるもので、メスのズワイガニを保護する事を目的としてます。他にも、魚を住み着かせる事を目的とする種類の魚礁もあります。
そして、メスのズワイガニが住み着いているかどうかを確認するのが調査の目的というわけです。
本船では、船の固定とROVの投入回収作業、また操作信号や映像信号を交換するための
光ケーブルを手繰る作業を、ROV本体の操作は専門である業者さんが実施しました。
なんせROVは家が建てられるぐらい非常に高価なので、非常に繊細な作業を求められるそうです。
光ケーブルはROVにからまないよう常にある程度ピンと張った状態を保ってなければなりません。人力で。
人力でケーブルを持つんです。こいつの推進力がかなり強いです。ずっと持っているとだんだん握力がなくなってきます。
魚礁は100~200メートルおきに設置されているんですが、なかなかみつかりません。視界が悪いし狭いし難しいもんです。
一度だけ通信エラーが発生しました。浸水の可能性があったようです。
エラーリセットしてから続行して再現されなかったので、ゴーストだったようですが、なんせ家が建ちますからあせりましたよ、業者さんが。大変ですね。
ROVの他に、魚礁を設置しているエリアの泥を採取しました。海底までの水深は200メートルです。
深いですよね、たまにありますよね深海の泥を採らなきゃいけなくて困ったとき。
こんなときはこれ
採泥器です。泥を採取するから採泥器です。上は採取した後の、クレーンで引き上げた写真です。
写真のタイプはスミス・マッキンタイヤ式といいまして、略して『スミキン』なんて呼ばれています。
採取する前は下部に見える円筒を半分に切った形の部分が開いてます。海底に当たった衝撃で写真のように閉まり、泥を採取するわけです。ガシャコンと。操作は簡単、勢いよく海底に当てるだけ。
いかがですか?
こちらが採取した泥です。非常にきめ細やかで海水ミネラルを豊富に含んでいます。
また、よくわからないミミズみたいな生き物や虫も豊富に含んでいます。
天候が中々安定せず、運航調整をしなければいけませんでしたが、調査自体はスムーズに完了しました。
よかったよかった。