里海(さとうみ)とは、人の暮らしの場に近い海であり、人の手が適度に加わることで漁業などの生産性や生物多様性が高まる海域です。弓浜半島では中海の藻葉(もば)を肥料として使用し、農作物を生産してきました。本書では、その人々の暮らしを、藻葉採集用具、聞き取り調査の結果から紹介します。
刊行 平成23年3月
頒布価格 500円
体裁 A5版 96ページ
著者 樫村 賢二
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目次
はじめに―民具からみる地域の暮らし―
1 鳥取県における里海
里海という視点/弓浜半島の特殊な環境
2 里海に注目した経緯
伯州綿とその栽培用具/日吉津村の綿栽培用具/綿まき鍬/伯耆地方にない「穴つき」/里海が支えた綿栽培
3 里海と地域の暮らし
米子市彦名町の事例/藻葉採りと入会権/舟入とフナミチホリ/舟入と龍宮さん/中海での漁業/藻葉の採集地
4 藻葉の種類と利用
総称としての藻葉/オゴノリ/ボウアオノリ/ウミトラノオ/アマモ/コアマモ/季節と藻葉/藻葉利用における塩害対策
5 藻葉採集用具
藻葉採りとその用具/藻葉ケタ/ケタによるアマモの採集法/ケタによるオゴノリの採集法/サオ(ネジリザオ・ハサンバ)/サオの使用方法/カギ/カイノコトリ/モバトリグワ/カマ/舟
6 藻葉採りの終焉と復活
藻葉の減少/農業・生活形態の変化と藻葉/中海干拓事業の経緯/里海再生と再利用
おわりに―暮らしの物的証拠としての民具―
参考文献/写真提供者・調査協力者/あとがき
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