江戸時代、鳥取藩と地域社会の間に立ち、重要な役割を果たした大庄屋。本書は、東伯郡琴浦町箆津の河本家を事例に、大庄屋の家やその職務、藩や地域社会との関わりなどの具体像を丹念な史料分析から明らかにしています。
刊行 平成28年3月
頒布価格 500円
体裁 A5版 120ページ
著者 坂本 敬司
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目次
はじめに
重要文化財河本家住宅/大庄屋とは/伯耆国八橋郡/本書の目的
1. 河本家の由緒と歴代
赤崎時代/箆津移住後の歴代/河本家の妻たち
2. 河本家の経営
「諸勘定証文」/資産の推移/河本家の奉公人/親方・子方
コラム(1)河本家の子弟教育
3. 大庄屋の仕事(1)文化12年任命時の挨拶回り
10代伝九郎(直三郎)の大庄屋任命/「御役人様方勤帳」/在方役人/御勘定所とその他の役人/米子荒尾家・八橋津田家・自分勤/倉吉の役人・八橋郡の役人/「大庄屋御請諸入用帳」/挨拶回りにかかる費用
4. 宗旨庄屋の仕事 文政7年「八橋郡御断帳」
11代長兵衛の宗旨庄屋就任/宗旨庄屋の仕事/「八橋郡御断帳」/記載の内容/庶民の社会的移動/寺院・神社と宗旨庄屋
コラム(2)「八橋郡新四国道中記」
5. 大庄屋の仕事(2)天保4年11代長兵衛の大庄屋罷免
11代長兵衛、大庄屋への昇任と罷免/赤崎村さわ・定四郎変死一件/事件の思わぬ展開/大庄屋手代勘四郎/赤崎村庄屋文四郎/関係者の処罰/赤崎御山奉行河本平次郎と長兵衛罷免の背景
6. 大庄屋の仕事(3)安政の在方改革と河本家
その後の河本家/鳥取藩の安政改革/宛口米調査/大庄屋長兵衛の退任/安政5年の在方行政組織の改正
7. 中庄屋の仕事 安政6年河本伝九郎の1年
中庄屋河本伝九郎の「諸事御用日記」/1月、書類を大庄屋へ提出/2月、構内のトラブル対応/3月、藩への御小人差し出し/4月、郡中血判/6月、村役人の交替手続き/7月、ころり除けの御守/10月、下甲村・殿河内村の山論吟味/中庄屋伝九郎を補佐する者
コラム(3)海藻をめぐる争い
8. 幕末の地域社会 産業の発展と余業人
維新後の在方改正/多様な商品の生産/「八橋郡村々余業人取調帳」/中心集落としての赤崎/赤崎周辺の村の余業/余業の免許料/多様な住民が構成する地域社会
コラム(4)八橋郡の「身分的周縁」
おわりに
引用史料出典/主な参考文献/協力者・写真提供者/あとがき
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