■鳥取砂丘の概要
鳥取砂丘は鳥取市白兎海岸から鳥取市福部町岩戸にいたる東西約16km、南北約2kmの砂地をいいますが、一般には千代川右岸の浜坂砂丘を鳥取砂丘と呼びます。鳥取砂丘は日本を代表する海岸砂丘で、起伏の大きさとスリバチと呼ばれるくぼ地地形、風紋などが見られる雄大で美しい砂丘です。1955年に国の天然記念物、1963年に国立公園に指定されました。砂丘の砂は中国山地にある花こう岩が風化し、千代川によって日本海に運ばれたものが沿岸流や季節風によって陸にたい積したものです。砂丘の砂の多くは、石英の粒でできています。
■砂丘列
鳥取砂丘には、海岸線とやや斜交する砂の列(砂丘列)があります。砂丘列は、風により海から砂が供給されることによってできた砂の高まりで、鳥取砂丘では3列認められます。形成順は海岸から内陸にいくほど古くなっていき、砂丘の砂も風化が進んで細かくなっていきます。
■スリバチ
スリバチは砂丘内に見られるくぼ地で、季節風の向きに対して風下側に馬てい形もしくは半円形となっています。くぼ地の最下部には古砂丘や火山灰が認められ、岩盤などにたまった地下水がわき出していることもあります。代表的なものは追後スリバチ、六ツ児スリバチ、合せヶ谷スリバチがあります。
■風紋
鳥取砂丘では、乾いた砂が風によって移動し、美しい模様をつくります。これを風紋と呼びます。風紋は自然の状態でも微少な凹凸面がある砂地に風が吹き、砂が移動することによって、さらに凹凸が拡大してできます。風紋の高低差はわずかで、風紋の列は風向きに直交しています。
■砂丘の微地形
・砂簾(されん):急傾斜の砂丘地で、乾燥した柔らかな砂が簾(すだれ)のように落下してできる地形。
・砂柱(さちゅう):砂丘に強い風が吹いて、固められていた砂が吹き飛ばされてできる柱状の地形。