ツチアケビとナラタケ
ナラタケというきのこと、ツチアケビという奇妙な植物の、複雑な関係を、精密な模型で展示しています。 ナラタケは,いろいろな種類の樹木の切株や倒木,枯れ木にとりつき,腐らせ,分解して栄養にします。(このようなキノコを「木材腐朽菌」といいます。) しかしナラタケの木材腐朽力は強く,時にはサクラやカラマツなどの生きた木の根にも取りついて,木を枯らしてしまいます。 ナラタケは,針金状の「菌糸束」を地中に伸ばして,生育範囲を拡大し,栄養となる樹木や枯れ木を探します。この模型では,細い根のようなナラタケの菌糸束がツチアケビの白くて太い根にとりついて栄養をとろうとしているようにみえます。ところがツチアケビは逆に,菌糸束を通じてナラタケから栄養分をうばうことができます。いわば返り討ちです。ツチアケビなど葉緑体をもたず,自分で栄養を作ることができないランの仲間(無葉緑ラン)は,菌類・キノコから栄養をうばって生きているのです。
ナガエノスギタケとモグラ
ナガエノスギタケは、とても柄の長いきのこです。地上部は普通のきのこのように見えますが、柄の根元が、土の中にとても長く伸びているのです。いったいどこからこの柄が伸びているのかというと、モグラの巣の、「便所」からなのです。モグラはきれい好きで、寝床から離れたところに、便所をつくるのです。ナガエノスギタケはモグラの便所から栄養をとって暮らしているのです。その様子を、精密なレプリカで再現しています。