寄る人の力湧かせる「待合所」
「かめの泉」は、倉吉市西倉吉町を中心に活動する住民団体。現在、主婦や会社員、元教員、元看護師など21人の会員がいます。
結成は2013(平成25)年。会長である枠島和江さんの近所に住む高齢者が、オレオレ詐欺被害に遭ったことがきっかけでした。枠島さんは、今後同様の被害に遭わないようにと、住民勉強会を提案。「勉強会は高齢者の孤立防止も狙いだった」と振り返ります。
こうした活動を根付かせようと結成された「かめの泉」。名前には、長寿の亀にあやかり、泉のごとく元気が湧き出るようにとの思いが込められています。
結成から3年後の16年、帰宅しても家に誰もおらず、塾にも通わない子どもの学習を支援する「?啄塾」を西倉吉町に開設。週末や夏休みなどに、希望する小中学生の学習をフォローしています。
さらに昨年7月には、空き家だった枠島さんの実家(同市越殿町)を改装し、高齢者を中心に誰もが集える「あなたと私の待合所」をオープン。待合所では、得意分野の会員を講師に、毎週月、水、金曜日の日中、手芸や音読、囲碁などの教室が開かれ、毎回、十数人が参加しています。また、同所では障がい者施設で作られているパンも販売。購入した人もその場で話し込んだり、休憩したり。?啄塾が開かれない冬は子どもの居場所にもなっています。
「福祉センターや路線バスの停留所が近く、出掛けたついでに寄れる。だからサロンと言うより待合所」と笑う枠島さん。ここでは、誰もが経験や特技をいかんなく発揮し、訪れる人の数だけ、活動の幅を広げています。
刺し子(手芸の一つ)に熱中する人たち。時折談笑も
男性も気軽に訪れ、経験や心の内を話している
待合所のすぐそばを流れる鉢屋川。夏にはホタルが見られる
刺し子を得意とする関戸夏江さんの作品。販売して運営費に
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