親しみ生かして防災啓発
鳥大防災Lab.(ラボ)は、堤防やダムなどの建設技術を学ぶ工学部の学生を中心に、2019(平成31)年3月に発足しました。きっかけは、地域防災に携わる工学部教授の黒岩正光さんの呼び掛け。「『学びを生かして学生主体で活動してほしい』という先生の発案に、サークル活動として取り組む面白さを感じた」とラボ副代表の合田剛さんは言います。
設立時のイベントでは、講演やパネル展で防災を日常的に意識する大切さを発信。活動に興味を持った学生も加わり、メンバーは8月現在で、15人です。
ラボでは、月2回ほど行うミーティングに鳥取県自主防災活動アドバイザー(自主防災活動を促進するために県が登録している、防災の専門知識・経験を持った人。地域の研修会や訓練で講義・助言する。)を招いて、知識を深めるほか、地域で行われる避難訓練のサポートや出前講座にも出向いています。6月には、南部町からの依頼で避難訓練に参加。学生の声掛けや誘導支援が、訓練に参加した高齢者にとても喜ばれました。
また、8月には、鳥取市立遷喬小学校の放課後児童クラブへ。ラボ発足時から活動を共にする鳥取県建設技術センターと共同で防災教育の出前講座を実施しました。合田さんは「知識や経験不足はあるものの、私たちにはSNSでの発信や、親しいつながりを利用して、周囲の人を巻き込むことができる」と学生による活動のメリットを語ります。
その他、「避難所運営ゲーム」の実施も。これは、避難所がどういう所かを学び、話し合いながらより良い運営に導く訓練ができるもの。代表の前田純平さんは、「自宅に防災グッズを常備している学生はほとんどいない。災害への意識を変えるには、イベントでの発信は効果的。まずは自らの意識を変え、学内でも啓発したい」と意欲的です。
親子向け防災イベントの来場者に、応急手当の方法をクイズ形式で伝えるラボのメンバー(写真提供は鳥大防災Lab.)
ミーティングの様子。この日は災害用応急処置器具製造業者に段ボール製の添え木の使用方法を学ぶ
段ボール製の添え木。
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