防災・危機管理情報


夜空描く夢、果敢に挑戦~流れ星作る不屈の研究~

株式会社ALE(エール) 代表取締役社長
岡島(おかじま) 礼奈(れな)さん
岡島礼奈さんの写真
  鳥取市出身。東京大学大学院修了、外資系投資銀行勤務を経て2011(平成23)年、人工流れ星プロジェクトに取り組む「ALE」を起業した。2019(平成31)年1月、JAXAの小型ロケットに人工衛星を搭載し、打ち上げに成功。今後、広島・瀬戸内上空で人工流れ星の実験を目指す。

人工衛星の写真
人工流れ星となる直径約1センチの金属球を含む粒(流星源)を放出する超小型人工衛星。流星源が落下する際に出る熱で光らせる(画像提供は(株)ALE)

流れ星を作ろうと思ったのは

  2001(平成13)年、国内でも話題になった「しし座流星群」を見て、流れ星のもとは(ちり)だから人工的に作ることができると思いました。さらに翌年、鳥取砂丘で流星群を見て、やはりこれは好きな時に見たい、だったら作ろうと。こうした発想は天文学の研究者なら思い付くもの、私が一番に成功させようと強く思いました。

大学卒業後、なぜ投資銀行に

  人工流れ星への思いは持ち続けていましたが、研究には資金が必要です。安定した資金調達を学ぶために就職先として選びました。リーマンショックの影響で2009(平成21)年に退職しましたが、起業した時に最初に応援してくれたのが当時の同僚でした。

起業後はどんな苦労を

  宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の小型ロケット「イプシロン」4号機への搭載枠獲得は困難の極み。何しろ世界初となる人工流れ星衛星の搭載、安全性や技術力を証明し続けることで、JAXA内にも応援してくださる仲間が増え、採択を勝ち取りました。

実験ではどんな流れ星を

  人工ならではの演出として、色とりどりの人工流れ星を流します。宇宙では地上と違う色に発色するので、素材の配合も研究中。人工流れ星を見た子どもたちが胸をときめかせ、宇宙への好奇心が芽生えることを期待します。

人工流れ星の計画のイラスト(イメージ)
人工衛星がオーストラリア(またはアラスカ)上空に来た時に、流星源を放出すると、中国地方の上空60キロメートルから80キロメートルで3秒から10秒発光する(イラスト監修は(株)ALE)


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