防災・危機管理情報


株式会社 (はやぶさ)えにし

  「株式会社隼えにし」は、八頭町隼地区でシイタケや野菜を生産し、販売しています。農業体験の機会も提供し、訪れる人や地域を楽しませています。
シイタケの原木に植菌する様子
シイタケの原木に植菌するオーナー(写真提供は株式会社隼えにし)

楽しさ共有、農業で人つなぐ

  株式会社隼えにしは、2018(平成30)年3月、隼地区で農業を営む男性5人が設立しました。そのきっかけは前年に、廃校となった小学校を活用し、カフェやオフィスなどの機能を持たせた複合施設「隼Lab(ラボ).」のオープン。このオフィスに県内外の企業が入居し、ラボ周辺がにぎわい始めたことに刺激を受けた社長の東口(ひがしぐち)善一(よしかず)さん。共に農業に励む仲間と「地元の者も頑張っているところをアピールしたい」と会社を立ち上げました。
  同社は、ビニールハウス2棟でシイタケの「とっとり115(いちいちご)」2900本を、1棟でバジルやルッコラ、イタリアンパセリなどの野菜を栽培。シイタケは、鳥取市の日本きのこセンターや「地場産プラザわったいな」へ出荷するほか、一部はオーナー制度(収穫前に購入の申し込みを行い、生育状況をウェブで見たり収穫体験をしたりするなど生産過程を楽しみ、農林水産物を受け取る仕組み。)を導入。オーナーは、植菌の体験や自ら収穫したシイタケのバーベキューを楽しむことができます。東口さんは「ここは特別な観光名所がない地域。訪れた人を楽しませるには、お客さま扱いしないこと。共に汗を流し、気持ちを共有するのが大切」と話します。
  一方、野菜は週に3回ほど収穫して、地元のレストランに出荷。パスタやサラダなどに使われるこれらの野菜は品質への信頼が厚く、出荷増の要望も受けています。
  また、ラボに程近いゲストハウス「BASE(ベース)8823(ハヤブサ)」と連携し、宿泊者に田植えや稲刈りの体験を提供しています。外国人にも人気が高く、今年の田植えには、イタリア人の家族が参加し、とても喜ばれました。
  メンバーのうち4人が60代の「隼えにし」。活動を通していろいろな人とつながり、それが縁で農業体験の新規申し込みも。東口さんは「年寄りの生きがいみたいなもの」と笑いつつ「楽しみながらも、より(もう)かる農業の形を示して若い世代につなげたい」と意気込みます。
シイタケ原木のハウス内の写真
シイタケ原木のハウス内は、木漏れ日で涼しい環境に設定
スイスチャードの収穫の様子
サラダによく使われるスイスチャードの収穫の様子

取材を終えて

  活動の喜びは「人との出会い」と話す東口さん。多くの人とつながる中で生まれた新プロジェクトも進行中。実現する日が楽しみです。(や)


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