医療で生きる科学者目指す ~経験糧に、研究の道を邁進~
国立米子工業高等専門学校(米子高専)物質工学科4年
田中 泰斗さん
2019年5月、80の国や地域から選ばれた学生が自分たちの研究を披露し合う「インテル国際学生科学技術フェア(ISEF)」(米国で開催)に日本代表の一人として参加。卵の殻や膜がシックハウス症候群に有効との研究成果を発表し、材料科学部門3位に入賞。米子市在住。
ISEF3位のメダル
歓迎行事「ピンバッジ交換会」で各国代表から集めたバッジの一部。これらは田中さんの宝物
幼い頃から夢は科学者
科学者への憧れは、小学生の頃に見たテレビドラマ『ガリレオ』の影響です。中学3年の時に父をがんで亡くしたことから医療分野に関心を抱き、生物や化学を学べる米子高専の物質工学科に入学。2年時に先生の勧めで入会した「B&C研究同好会(米子高専内の同好会。Bは生物学biology(バイオロジー)、Cは化学chemistry(ケミストリー)の頭文字。)」で活動を始め、授業だけでは得られない追究の面白さを感じています。
研究ではどんな発見を
通常は廃棄される卵の殻や内側の膜を建築材料の石こうボードに混ぜて、シックハウス症候群の原因物質の吸着効果を検証。
建材としての強度を保ち、かつ効果を発揮する卵殻の混合比は5%から10%、吸着効果は卵膜によるものであることを明らかにしました。
国際学会での経験は
発表者ごとに細かく区切られた会場のブース内で、発表者は審査員一人一人に対して研究発表と質疑応答を英語で行い、審査を受けます。質問攻めも想定内。抜かりなく用意した資料と磨いた説明力で、しっかり伝えました。前日の歓迎行事で各国の代表と英語のみで交流し、英語に自信が持てたことも功を奏したと思います。
目指す将来に向けて
研究を通じて出会った人やISEFでの経験は生涯の宝。このことに感謝しながら、医療に携わる科学者を目指して、一層研究に励もうと思います。
短期間で猛特訓した英語力で審査員に説明する田中さん。(©日本サイエンスサービス)
研究をまとめたポスターの一部。(©日本サイエンスサービス)
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