個性で決めた声優の頂 ~日頃の経験、今後に生かす~
第8回国際声優コンテスト「声優魂」最優秀賞
田中 苑希さん
中学3年生だった2017年(平成29年)に、中高生の国際声優コンテスト「声優魂」鳥取大会に初挑戦し、県3位に入賞。翌年は2位、2019年は1位に上り詰めた。さらに県を代表して出場した11月の全国大会で最優秀賞を受賞し、全国の頂点に立った。県立鳥取西高等学校3年生。湯梨浜町在住。
全国大会では「楽しく演技します」と審査員に宣言した田中さん。プロの声優にアドバイスをもらって帰れたらそれでいいという気持ちで挑んだ
声優への憧れはいつから
小学5年生の時に見たテレビアニメ『進撃の巨人』がきっかけです。あり得ない展開に現実感を加える声優の仕事に衝撃を受け、将来の夢として意識するようになりました。
コンテスト初挑戦で出会いが
恥ずかしさから挑戦をためらいましたが、姉にハッパを掛けられて出場を決意。そこで、後に高校の先輩となる木村美言さん(2017年(平成29年)の第6回「声優魂」全国大会で鳥取県初の最優秀賞を受賞した。)との出会いが。木村さんの感情表現や声の抑揚、雰囲気など全てに憧れて翌年、同じ高校へ。同じ演劇部に入部し、木村さんをはじめ先輩方に演技を学びながら、練習を積みました。
昨年の全国大会の印象は
映像に声を合わせる「アフレコ」と数人で台本を読み合う「掛け合い」が審査されました。他の出場者に圧倒されましたが、鳥取大会で競い合った仲間を思い出して奮起。アフレコは思い通りにできなかったものの、掛け合いで挽回。普通に演じたのでは個性が埋もれると考えて、男勝りでがさつな女の子を演じました。この作戦が功を奏し「他の人と違うオリジナリティーがあった」と評価してもらえました。
声優にとって必要なものは
「アピール力」でしょうか。拮抗する者同士だと、その人の持ち味や受け答えの印象が重視されます。そのため、日頃から人と多く関わり、感情を出すよう心掛けを。そうして得られた面白い考えや体験もまた、糧となります。
今年2月に行われた県東部地区高校演劇部新人発表会で披露した劇の台本。演技に必要な心の動きや、自らの気合いなどが書き込まれている(写真提供は田中さん)
|