(1)議案第1号
条例改正に対する本委員会の意見について、事務局が説明し、原案のとおり意見を提出することに決定した。
説明
平成19年11月議会に提出された条例の一部を改正する条例案等について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき県議会から意見聴取があり、これに対して本委員会の意見を回答しようとするもの。
4件の条例案があり、新設又は一部改正を行うもの。
これらの条例案については妥当と考え、異議なしとして回答したい。
なお、これらの条例に伴う人事委員会規則の改正等については、次回以降の人事委員会に諮りたい。
1.条例案の名称
・職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部改正について
・職員の自己啓発等休業に関する条例の設定について
・職員の給与に関する条例等の一部改正について
・職員の育児休業等に関する条例等の一部改正について
2.本委員会の意見案 異議はない旨回答する。
3.条例案の概要
ア 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部改正について
(ア)改正理由
平成19年7月に公布した「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」について、そのもととなる雇用保険法の一部改正に係る施行日が改正されたため、同様に施行日を改正するもの。
(イ)概要
船員保険法の規定により、失業者の退職手当に相当する給付の支給を受けることとなる者に対して失業者の退職手当を給付することを禁じる規定を削除する改正の施行日を以下のとおり改正する。
(改正前)平成22年4月1日
↓
(改正後)日本年金機構法の施行日
(ウ)施行期日等
施行期日は、公布の日とする。
(エ)条例案に対する人事委員会の判断
法改正に伴う所要の改正であり、異議はない。
イ 職員の自己啓発等休業に関する条例の設定について
(ア)設定理由
地方公務員法の一部が改正され、地方公務員の大学等における課程の履修又は国際貢献活動のための休業(無給休業)制度を設けることができるようになったことから、本県職員についてこの自己啓発等休業制度を導入するため必要な事項を定める。
(イ)概要
a 対象職員
・職員としての在職期間が2年以上である職員
・任命権者は、公務の運営に支障がなく、かつ、当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるときは、当該職員の勤務成績その他の事情を考慮した上で、休業の申請を承認することができる。
〔参考〕地方公務員法で定められている自己啓発等休業の対象外職員
臨時的任用職員、非常勤職員及び任期付任用職員
b 休業期間
3年以内
c 休業事由
(a)大学その他の教育施設における課程の履修
大学(大学院等を含む)、外国の大学、短期大学、専修学校等における修学
(b)国際貢献活動
独立行政法人国際協力機構(JICA)が行う開発途上地域における奉仕活動や、特定非営利活動法人(NPO法人)が行う国際協力の促進に資する外国における奉仕活動 等への参加
d 取消事由
(a)正当な理由なく、大学等を休学、授業の頻繁な欠席、国際貢献活動の全部又は一部を行っていないこと
(b)大学等を休学、停学、授業の欠席、国際貢献活動の全部又は一部を行っていないことその他の事情により、自己啓発等休業の目的に支障が生じていること
e 職員の給与等の取扱い(休業中は無給)
(a)職務復帰後における給料の号給の調整
100分の50以下(特に職務に有用なものと認められる場合は100分の100以下)の換算率により得た期間を引き続き勤務したものとみなして、人事委員会規則の定めるところにより調整。
(b)退職手当
退職手当の算定基礎となる在職期間から休業の全期間(公務の能率的な運営に特に資すると認められる場合は2分の1)を除算。
(ウ)施行期日等
a 施行期日は、平成20年4月1日。
ただし、申請及び承認等の手続の規定は、公布日施行。
b 関係条例の一部改正
(a)自己啓発等休業をしている職員を職員定数(定員)の外に置くことができることとするため、鳥取県職員定数条例等を改正。
(b)休業期間の給与の取扱い(無給)に関する規定を整備するため、現業職員の給与の種類及び基準に関する条例等を改正。
(エ)条例案に対する人事委員会の判断
職員に自己啓発及び国際協力の機会を提供することによって公務能率の向上に資するため、職員の自発的な大学等の課程の履修又は国際貢献活動を可能とする休業制度を導入するものであり、異議はない。
ウ 職員の給与に関する条例等の一部改正について
(ア)改正理由
平成19年10月の人事委員会勧告を踏まえ、職員の給与の改定等を行う。
(イ)概要
a 職員の給与に関する条例の一部改正
(a)給与の改定
・扶養手当の見直し
配偶者に係る扶養手当 月額12,000円→10,500円(1,500円引下げ)
子等に係る扶養手当 月額 6,000円→ 6,500円( 500円引上げ)
・期末手当の引下げ
期末手当支給割合(年間)2.8月分→2.6月分(0.2月分引下げ)
(参考:期末・勤勉手当合計での年間支給割合)
4.25月分→4.05月分
(b)50歳を超える職員の標準昇給号給数の引下げ
・50歳~54歳の職員 4号給→2号給
・55歳を超える職員 2号給→1号給
b 関係条例の一部改正
次の条例について、期末手当の引下げに準じた改正を行う。
・任期付研究員の採用等に関する条例
・任期付職員の採用等に関する条例
(ウ)施行期日等
a (イ)のaの(a)及びb
公布日の属する月の翌月の初日(公布日が月の初日のときは、その日)
b (イ)のaの(b)
平成20年4月1日
c 所要の経過措置を講ずる。
(エ)条例案に対する人事委員会の判断
本委員会勧告の内容に沿うものであり、異議はない。
エ 職員の育児休業等に関する条例等の一部改正について
(ア)改正理由
地方公務員の育児休業等に関する法律(以下「地方育休法」という。)の一部が改正され、育児を行う職員の職業生活と家庭生活の両立を一層容易にするための環境整備として、短時間勤務の制度を設けることができるようになったことから、本県職員についてこの育児短時間勤務制度を導入するために必要な事項等を定める。
(イ)概要
a 育児短時間勤務制度
(a)対象職員
小学校就学前の子を養育する職員
ただし、非常勤職員、臨時的任用職員、育児休業職員の代替として任用する任期付職員、定年延長職員等を除く。
(b)勤務形態
職員は、任命権者の承認を受けて、下記のいずれかの勤務形態により、希望する日及び時間帯において勤務することができる。
週休日 |
勤務日及び時間 |
土日 |
月~金を4時間勤務 (週20時間) |
土日 |
月~金を5時間勤務 (週25時間) |
土日と月~金のうち2日 |
残り3日を8時間勤務(週24時間) |
土日と月~金のうち2日 |
残り3日のうち2日を8時間勤務し、残り1日を4時間勤務(週20時間) |
①~④のほか地方育休法の中で条例で定めるとされた、1週間当たりの勤務時間が20時間、24時間又は25時間となる交替制勤務職員等の勤務形態 |
〔備考〕地方育休法で定められている勤務形態。
(c)取消事由
・職員以外の親が養育できることとなったとき
・育児短時間勤務により養育する子を別の子に変更して承認しようとするとき
・異なる内容の育児短時間勤務を承認しようとするとき
(d)その他必要な手続等を定める。
b 育児短時間勤務職員の給与等の取扱い(職員の給与に関する条例の一部改正等)
(a)給料:短時間勤務による1週間当たりの勤務時間を40時間(正規の勤務時間)で除して得た数(換算率)を乗じて得た額。
(b)退職手当:退職手当の算定基礎となる在職期間から短時間勤務をした期間の3分の1を除算。
(ウ)施行期日等
a 施行期日は、平成20年4月1日。
ただし、請求及び承認等の手続の規定は、公布日施行。
b その他関係条例について所要の改正を行う。
(エ)条例案に対する人事委員会の判断
少子化対策が求められる中、公務においても、長期間にわたる育児と仕事の両立が可能となるように育児のための短時間勤務制度を導入するものであり、異議はない。
【質疑】
委員
育児短時間勤務について、1日のうちどの時間に勤務するかというのは職員が決めるのか。
事務局
職員が決めた時間であるが、実態としてはある程度決まったパターンの方が運用しやすいと思う。
委員
育児の必要性に迫られて申請されると駄目とは言えないということだろう。
委員
指定した時間で休まなければならないということになると、この制度の導入の趣旨を損なうことになる。
(2)議案第2号
一般任期付職員の任期の更新の承認について、事務局が説明し、原案のとおり承認することに決定した。
説明
平成17年4月1日から3年間の任期で採用した一般任期付職員2名について、任期を2年間更新しようとするもの。一般任期付職員の任期は、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律により最長で5年間と定められている。
任期の更新に当たっては同法に基づき人事委員会の承認が必要とされているため、知事から申請があった。
なお、任期の更新については本人の同意を得ているということである。
1.
任期付職員の職 |
文化観光局観光課 副主幹 |
現に従事している 業務の内容
|
着地型観光メニューの開発や観光メニューオーディション事業の審査及びフォローアップ 観光振興に当たる人材育成のための各種講演 体験型教育旅行(修学旅行)の誘致 等 |
当該職員の専門的な知識経験の内容 |
観光分野における豊富な活動歴及び実務経験 |
一般任期付職員を 必要とした理由 |
県庁内での人材確保が困難であること 当該専門的な知識経験を有する人材育成に相当に期間を有すること |
根拠規定 |
任期付職員の採用等に関する条例第2条第2項第1号 |
現在の任期 |
H17.4.1からH20.3.31まで (3年間) |
更新予定期間 |
H22.3.31まで更新 (採用から5年間) |
更新を必要とする 理由 |
体験型教育旅行の誘致について、実現までに2~3年を要すること 地域の魅力を活かした観光メニューの開発や売込み等において必要 他の職員の資質向上を図る上で当該任期付職員の知識・能力が必要 |
2.
任期付職員の職 |
生活環境部景観まちづくり課 主幹 |
現に従事している 業務の内容 |
地域住民自らの活動の動機付けや活動の継続・広がりのための情報提供、住民が主体になる協議会づくりなどの指導・実践 等 |
当該職員の専門的な知識経験の内容 |
景観分野における豊富な活動歴及び実務経験 |
一般任期付職員を 必要とした理由 |
県庁内での人材確保が困難であること 当該専門的な知識経験を有する人材育成に相当に期間を有すること |
根拠規定 |
任期付職員の採用等に関する条例第2条第2項第1号 |
現在の任期 |
H17.4.1からH20.3.31まで (3年間) |
更新予定期間 |
H22.3.31まで更新 (採用から5年間) |
更新を必要とする 理由 |
地域の活動が芽生え始めたところであり、引き続きサポートが必要 活動が進みそうな地域の住民に対する活動の動機付けが必要 |
(3)報告第1号
公平委員会事務委託団体の職員の懲戒処分について、事務局が説明した。
(4)協議等事項
説明
1.海事職給料表の概要について、事務局が説明し、協議を行った。
2.県民から寄せられた意見(県民の声)について
平成19年11月20日受付の県民の声による意見について、事務局が説明した。