平成25年3月7日(木)及び14日(木)、日野町歴史民俗資料館において民俗部会は第6回、第7回の民具調査を実施しました。
日野町教育委員会と共同で実施している調査は、厳寒期は休止していましたが、3月から再開しました。資料の整理は、順調に進み14日の時点で1000点の採寸、写真撮影が終了しました。まだ寒い中、参加いただいた資料館友の会、県史編さん協力員の皆様にお礼申し上げます。
(写真1)3月14日の調査
(写真2)雪が舞う寒さで、パソコン入力担当者は凍えた指先を温めながら作業しました
県史編さん室
平成25年3月13、14日の両日、古代中世部会では、『古記録編』の編さんに向けて、鳥取県内の神社に残る中世棟札の調査を実施しました。
今回調査したのは、大江神社(八頭町橋本)、甘露(かんろ)神社(岩美町陸上:くがみ)、加知弥(かちみ)神(鹿野町寺内)で、県立博物館・米子工業高等専門学校と合同で実施しました。3社とも『延喜式』神名帳に記載された「式内社」で歴史は古く、いずれも30~70点の棟札を所蔵しており、このうち大江神社と甘露神社で中世以前の年号を持つ古い棟札を確認することができました。今回の調査成果は、平成28年度刊行予定の『新鳥取県史 古代中世2 古記録編』に反映させていきたいと思います。
御協力いただいた各神社の宮司様はじめ関係者の皆様にあつく御礼申し上げます。
(写真1)大江神社の社殿
「因幡二ノ宮」と呼ばれ、中世では国人伊田氏の信仰を集めました
(写真2)調査の様子
1点ずつ内容を確認し、写真を撮影していきます。
(写真3)甘露神社の棟札
中には「延暦」「延喜」といった古代の年号を持つものもありました
(写真4)加知弥神社の社殿
中世では「勝宿大明神」と呼ばれ、特に戦国武将の信仰を集めました
県史編さん室
平成25年3月6日(水)、民俗部会は湯梨浜町泊の称名寺を会場として「衣食」に関する民俗調査を実施しました。
今回は、元泊漁業協同組合長・旧泊村議員であった橋本是さんの御協力で、地元の山海の食材を使った料理に詳しい方、かつて行商をされていて食糧の供給者として食の変遷を見てこられた方など5名の女性に集まっていただきお話を伺いました。
また調査の際には、郷土料理の名人である方に、「おからずし」を持参していただきました。泊の「おからずし」は、イワシが主流で、「イワシずし」ともいわれており、イワシの場合は切り身にせずおからをはさむそうです。また、酢飯の代わりに酢おからを使用します。県内には同様に酢おからを使うすしとして鳥取市賀露の「シロハタずし」があります。
泊ではかつて「おから」を「きらず」と呼び、さまざまな良い縁を「きらず」の意味があり、お祝いの料理によく使われたそうです。
今回は良いイワシが入手できなかったため、ハマチの切り身を使用したとのことでしたが、見た目も美しく、酢のすがすがしい香りと、上品な味でお祝いの料理であることを感じることができました。
最後になりましたが、会場を提供してくださった称名寺の土井義雄住職、調査をセッティングしてくださった橋本是さん、貴重なお話をしていただき、料理を持参してくださった皆様に御礼申し上げます。
(写真1)調査会場の様子
(写真2)ハマチを使ったおからずし
県史編さん室
平成25年3月1日(金)に第2回新鳥取県史編さん専門部会(民俗)、3月5日(火)に民俗編生業分野担当者会議を共に公文書館会議室で開催しました。
1日の専門部会は、6名の部会委員に御出席いただきました。まず本年度事業の進捗状況などについて報告、続いて平成25年度の事業計画、民俗編刊行までの年次計画について協議しました。
5日の民俗編生業分野担当者会議は、9名の調査委員に出席いただき、執筆担当分野の変更、民俗編目次構成の再検討を行いました。
(写真1)民俗編生業分野担当者会議の様子
(写真2)生業分野の中の漁業について発言する磯本宏紀調査委員(右)
(写真3)平成24年度から調査委員に加わっていただいた山本恭子氏(中央)
県史編さん室