県史編さん室では、6月16日(日)に鳥取県立博物館講堂において、標記の講演会を開催しました。これは「新鳥取県史資料編 近世6 因府歴年大雑集」と「鳥取県史ブックレット20 因府歴年大雑集を読む」の刊行を記念して、江戸時代の編纂物である「因府歴年大雑集」と編者の岡島正義について深く学んでいただこうと企画したもので、当日は65名の参加者がありました。
新鳥取県史編さん委員長の池内敏氏が「岡島正義と因府歴年大雑集」のテーマで基調講演を行い、次に近世部会委員5名が、ブックレットの内容をもとに「因府歴年大雑集」の面白さについてわかりやすく紹介しました。
当日は会場で「因府歴年大雑集」の原本展示も行い、多くの方が熱心に見入っていました。
(写真1)「岡島正義と因府歴年大雑集」と題して池内敏新鳥取県史編さん委員長に講演していただきました。
(写真2)「因府歴年大雑集」の具体的な内容について近世部会委員に解説していただきました。
(写真3)会場の様子。65名の県民の方々に御参加いただきました。
県史編さん室では、GHQ鳥取軍政部活動報告の解読を通して戦後の歴史を学ぶ会の月例会を6月15日に開催しました。
今回挑戦したのは、1948(昭和23)年3月の添付資料(ANNEX)E-1民間教育活動(Civil Education Activities)と、E-2民間情報活動(Civil Information Activities)でした。
主な話題は、新制高等学校の設立、法学者田辺繁子氏と中国地方軍政部情報教育担当将校グロス女史による婦人問題講演会、教育映画の巡回などでした。
軍政部と県社会教育課が合同で行った巡回講座では、「闇市が我々の主な食糧調達源となっている現状で、どうすれば闇市で買うことを拒めるのか」と、食糧政策の問題点を鋭くつく発言が来場者から投げかけられていました。
次回は7月13日(土)です(参加希望の方には英文をお送りしますので、ご連絡ください)。
(写真1)例会では、分担して英文を読み、澤田晶子委員(翻訳担当)が解説し、
当時の新聞記事を眺めて、公文書館所蔵の関係資料を見ます。
(写真2)投影した「昭和23年度社会教育事業計画 鳥取県」
(八東村役場『昭和23年・昭和24年 社会関係綴』、
八東町旧村役場文書、鳥取県立公文書館所蔵:整理番号1836)。
6月9日(日)、鳥取県立博物館にて「高校生のための古文書ワークショップ」を開催しました。県内の高校生5名が参加し、中世・近世の古文書の原本に触れて、その扱い方を学んだり、くずし字の解読や展示用キャプション作りに挑戦しました。
全員がくずし字を読むのは初めてでしたが、グループで相談したり、辞書を使ったりして粘り強く解読に取り組み、最後はどのグループも質の高いキャプションを製作していました。この経験を今後の学習や進路選択に活かしてくれることを期待しています。
(写真1)県史編さん室職員から古文書を扱う上での留意点を聞いています。
(写真2)緊張しながら、慎重な手つきで原文書を扱っています。
(写真3)中世文書の解読に挑戦。難読文字を相談しながら解読しています。
(写真4)こちらは近世文書を解読。くずし字用の辞書も使いこなしています。
(写真5)展示用キャプションを作成。
話し合いながら、古文書の内容を200字に要約しました。
(写真6)キャプションを作成している様子。
できあがった原稿は自分たちでPCに打ち込み、パネルに貼り付けていきます。
(写真7)キャプションの内容をグループごとに発表
(写真8)完成したキャプション(中世グループ)
(写真9)完成したキャプション(近世グループ)
現代部会では、6月2日(日)今年度刊行予定の『現代2 経済・社会・文化』に掲載する資料の調査を行いました。
昭和20年代の広報と衛生関係簿冊のなかに、GHQ民間情報教育局の巡回映画の案内や、飲食店の衛生検査結果表示用の印刷物がありました。今回の調査で扱った資料の一部は、現代2に収録します。
(写真2)GHQ民間情報教育局の巡回映画上映の際の注意書き。
映画を「最も効果的に利用するため、主催者への示唆」である。
(写真3)飲食店の衛生検査の結果を表示したビラ。
店頭か店内に掲示されたものと思われる。
日本語と英語で、書体を微妙に変えて記載されている。
(写真4)赤痢の感染予防を訴えるビラ。「起せ、赤痢の国民運動」「清潔で健康な文化日本を建設」