2012年1月27日
考古部会では、県内の主要遺跡のうち、未報告または不十分な報告にとどまっているものについて、出土品の再整理(実測作業)を行っており、整理作業員2人が実測作業を行っています。
現在は、布勢遺跡(鳥取市布勢)から出土した縄文土器を実測中です。布勢遺跡は現在、コカ・コーラウエストスポーツパーク(鳥取県立布勢総合運動公園)辺りにあった遺跡です。実測作業は、コンパスの一種で寸法を移しとることなどに使うディバイダー、土器の輪郭を図面に写しとる道具の真弧(マコ)や、厚みを計測するキャリパーなどを使い正確に行わなければなりません。大変な作業ですが、後世に、正確な資料を伝えるために日々努力しています。
(写真1)縄文土器(深鉢)を実測する様子
(写真2)縄文土器(蓋)をディバイダーで計測する様子
(写真3)実測に使用する器具。左からディバイダー、真弧(マコ)、キャリパー
(写真4)日々、黙々と作業を行っています
(写真5)県庁第2庁舎8階に県史編さん室分室はあります。
分室の窓からの眺めは、実測作業で疲れた目を休めるのに役立ちます。
県史編さん室
公文書館 2012/01/27
in 県史編さん室,考古
2012年1月11日
平成24年1月8日(日)に境港市の中浜地区、余子地区のトンド調査を実施しました。これは新鳥取県史編さん専門部会(民俗)が、平成21年度から鳥取県教育委員会文化財課と協力して実施している、弓浜半島のトンドに関する調査です。
今回は調査で重視している、地域内を渡御(とぎょ)するトンドさん(歳徳神:としとくじん)の神輿(みこし)の撮影を主に行いました。トンドさんは、全国的に行われている小正月(こしょうがつ)を中心に行われる火祭りの一種で、正月の松飾りを各戸から集めて、正月14日の晩方ないしは15日の朝にそれを焼くのが一般的です。全国では、左義長(さぎちょう)、ドンドヤキ、ドンドンヤキ、サイトウなどさまざまな呼び名があり、現在も広く行われています。
弓浜半島のトンドについては、平成24年度に県文化財課から報告書が刊行される予定です。
(写真1)境港市小篠津町のトンド行列が町内の日御崎神社を参拝し、町内渡御に出かける様子
(写真2)左から境港市小篠津町の願主(がんぬし)、コチン、獅子の三役
願主と獅子が家々のお祓いをし、コチンが祝儀を受けます。
コチンとは首に下げている祝儀を入れる袋の名前でもあります
(写真3)境港市小篠津のトンドさんの神輿
弓浜半島のトンドの特徴は、トンドさんの神輿が地域内を練り歩くところにあります
神輿にはさまざまな形があり、今後これを記録化する予定です
(写真1)昨年は大雪の後で大変でしたが、今年のトンドは好天に恵まれ、境港から大山が美しく見えました
県史編さん室
公文書館 2012/01/11
in 県史編さん室,調査
2011年12月28日
武家門前に公文書館の案内板があるのをご存じですか?
このたび、この案内板をリニューアルしました!
(写真1)旧案内板
(写真2)新案内板
日本語、英語、韓国語、中国語、ロシア語、の5カ国語で案内しています
(写真3)新看板の日本語部分の拡大です
公文書館 2011/12/28
in 公文書担当
2011年12月27日
新鳥取県史編さん専門部会(民俗)では、平成23年12月22日(木)に倉吉博物館(倉吉市仲ノ町)が所蔵する稲扱千刃(いなこきせんば)の調査を実施しました。
倉吉で生産された稲扱千刃は「伯州倉吉千刃」と呼ばれました。倉吉の千刃は優秀な鍛冶職人が、上質な鉄、優れた技術で生産し、修理や古い千刃の下取りをするなどアフターサービスも優れていたため、全国で多く使用されました。この鳥取県で生産され全国に流通した倉吉の千刃を詳細に調査するため、これを多数所蔵する倉吉博物館と連携して調査を実施しています。
(写真1)稲扱千刃の調査をする倉吉博物館の関本明子学芸員
稲扱千刃を担当する新鳥取県史編さん調査委員になっていただいています
(写真2)資料写真を撮影し、台木、刃の長さ、幅や厚みなど細かく採寸します
(写真3)倉吉博物館の収蔵庫には所狭しと稲扱千刃などが収められています
県史編さん室
公文書館 2011/12/27
in 県史編さん室,調査
2011年12月21日
平成23年12月19日(月)~20日(火)、新鳥取県史編さん専門部会(近代)と同(現代)が国立公文書館(東京都千代田区)で資料調査を実施しました。
近代部会では、国立公文書館所蔵「鳥取県史料」を翻刻し、近く刊行予定の『新鳥取県史 資料編 近代2』および『同3』に収録することとしています。「鳥取県史料」全32巻は、明治初期の鳥取県(藩)について、政治・行政上の出来事や諸制度の沿革などを記録した近代史の重要資料です。
例えば、下の写真は第20巻の一部です。左のページには、士族授産のための製糸事業の景況について書かれています。このたびの調査は、同資料の複製版から活字に起こした原稿を、原本と照合して確認作業を行ったものです。
調査者は、近代部会の岸本覚部会長(鳥取大学地域学部准教授)と県史編さん室の大川主事(近代担当)、そして清水専門員(現代担当)です。
岸本部会長は、18日(日)から19日(月)にかけて行った東京都日野市と宮内庁での資料調査から、直接合流するかたちでご参加されました。刊行に向け、今後も編集等の作業を進めていきます。
鳥取県史料 第20巻
県史編さん室
公文書館 2011/12/21
in 県史編さん室,調査
2011年12月19日
平成23年11月15日(木)、16日(金)の2日間、鳥取県関西本部交流室(大阪府北区梅田)で開催された大阪鳥取県人会「鳥取学」出前講座に、県史編さん室の岡村吉彦専門員が講師として参加しました。16日(金)の講座終了後には、秋山伸隆古代中世部会委員(県立広島大学副学長)とともに、兵庫県川西市にある大阪青山歴史文学博物館にて、「吉見家文書」の史料調査を行いました。
大阪鳥取県人会「鳥取学」出前講座では、鳥取県史ブックレット1『織田VS毛利―鳥取をめぐる攻防―』の内容を中心に、戦国末期の鳥取城をめぐる攻防戦について解説しました。
大阪青山歴史文学博物館では、中世石見国津和野(島根県鹿足郡津和野町)の国人領主である吉見氏に関する文書群「吉見家文書」の中の鳥取県関係史料を調査・撮影しました。
貴重な資料の閲覧・撮影にご協力いただいた大阪青山歴史文学博物館・大阪青山大学の関係者の皆様にあつく御礼申し上げます。
(写真1)会場の様子
(写真2)解説する岡村専門員
(写真3)大阪青山歴史文学博物館周辺の様子
(写真4)大阪青山歴史文学博物館
県史編さん室
公文書館 2011/12/19
in 県史編さん室,講座などのイベント,調査
2011年12月19日
平成23年12月17日(土)、平成23年度の「記録資料を読む会」の第3回を公文書館会議室で開催し、11名の方に出席していただきました。
第1回につづき西村副主幹が「戦時下の鳥取県公報を読む」として『事変特報』の紹介をしました。戦時中の学力テスト「壮丁学力程度調査」や鳥取県の満蒙開拓に関する記事「満州移住と本県」を読みながら、戦争の時代を振り返りました。参加された皆さんは、現代と全くちがう戦前の教育内容や、銃後の守りについての記事にとくに興味を示されていました。
(写真1)第3回記録資料を読む会の様子
(写真2)高校生も熱心に解読
公文書担当
公文書館 2011/12/19
in 公文書担当,講座などのイベント
2011年12月6日
新鳥取県史編さん専門部会(古代中世)では、平成23年11月29日(火)から12月3日(土)まで、秋田県立公文書館(秋田市)、山形大学小白川図書館(山形市)、東北大学附属図書館(仙台市)、仙台市博物館(同)、新潟県立歴史博物館(長岡市)の鳥取関係中世史料の調査を実施しました。
このうち、秋田県立公文書館では「秋田藩家蔵文書」を、山形大学小白川図書館では佐治氏に関する「中条(なかじょう)家文書」を、東北大学附属図書館では天正年間の羽柴秀吉書状を調査・撮影しました。また、仙台市博物館では「伊達家文書」を、新潟県立歴史博物館では伯耆国布美荘(現米子市内)に関する「色部(いろべ)文書」を調査しました。貴重な資料の閲覧・撮影にご協力いただいた関係者の皆様にあつく御礼申し上げます。
(写真1)仙台市博物館
(写真2)秋田県立公文書館での史料調査
(写真3)新潟県立歴史博物館での史料調査
県史編さん室
公文書館 2011/12/06
in 県史編さん室,調査
2011年12月2日
平成23年11月30日(水)、米子市淀江町で現代部会担当の清水太郎専門員が資料調査を実施しました。
今回は旧淀江町内の住民が中心となって作成し、戦時下の勤労動員や学童疎開の様子を詳しく紹介している『子と孫に伝えたいふるさとの終戦秘話』(ふるさとの終戦秘話を語る会、2006年)の編集に利用された資料の所在調査を実施しました。
会場を提供していただいた淀江公民館と『子と孫に伝えたいふるさとの終戦秘話』の作成過程などについて情報提供していただいた皆様に深く感謝申し上げます。
『子と孫に伝えたいふるさとの終戦秘話』編集関係者への聞き取りの様子
県史編さん室
公文書館 2011/12/02
in 県史編さん室,調査
2011年11月28日
(写真1)湯村専門員の講義の様子
(写真2)会場の様子
県史編さん室
公文書館 2011/11/28
in 県史編さん室,考古