9月20日ごろから曳縄釣で2-3kgのサワラが揚がり始め、今シーズンのサワラ漁がスタートしています。
県内の曳縄釣で最も漁獲量の多い淀江で、サワラの測定とついでに小型定置網のマアジの測定を行いました。
ちなみに、この日はサゴシ(サワラの未成魚)や小型のシイラが餌(サンマ)をとり、午前10時には風が強まったため、水揚げは少量でしたが、20尾の測定ができました。
淀江には、釣のエキスパートグループであるJF鳥取淀江釣漁研究会、通称「淀釣研(よどちょうけん)」があり、昨漁期から船上活〆したのち、脱血&エラハラ抜き(内臓除去)したサワラを出荷しています。
コロナの影響かつ日本海北中部、太平洋側でサワラの漁獲が好調で、単価が下落傾向の中、豊洲市場、京都市場で数百円~5百円、単価が高く取引されています。リピーターが多いようで、前漁期購入された仲買さん中心に買い支えしていただいているようです。
徹底した品質重視に理解が得られているようで、漁業者、漁協販売職員ともに嬉しそうに今の状況を話してくれました。ただ、すべてが良い話ではなく、コロナの影響で閉店してしまったり規模縮小した取扱店舗があるようで、その中にはお世話になった料理人の方もいらっしゃり、身の詰まる思いもしました。
あとひと月もしますと中国地方の最高峰の大山(だいせん)に初冠雪が見られます。
淀釣研では、初冠雪があった日から1月上旬の間、「淀江がいな鰆(がいなは方言で大きいの意味)」が出荷されます。こだわりの処理をした3kg以上の大型魚を、さらに目利き人(漁協販売職員)が脂乗り、魚体のプロポーションで厳選した至極のサワラです。かなりレアな魚ですが、日本一品質だと誇れるブランド魚です(間違いなく料理人のテンションが上がる魚)。
ちなみに、サワラは水分含有量が多く、鮮度落ちの早い魚ですが、淀釣研のサワラは、その卓越した処理技術により熟成(エイジング)に適した魚です。個人的には4,5日寝かしたサワラをカツオのたたきのように焼き霜造りにするのが好きです。
定置のマアジは、この日は875kgの水揚げがありました。漁獲量の7割が「中」銘柄(平均尾叉長259mm)でした。