今年度の最終回となる第5回講座をオンライン配信で開催し、42名の方に御視聴いただきました。今回は「第19次調査の最新速報」と題し、発掘調査を担当した高橋章司文化財主事兼係長が今年度に実施した発掘調査成果を報告しました。
当時の第19次調査区周辺は内海に近く軟弱な地盤であったため、遺跡周辺の丘陵から地盤強化に適した粘土質の火山灰土を運び込み、造成をしたことが分かりました。造成土の上には、小型の建物跡が見つかるなど、これまで遺跡の衰退期と考えられていた古墳時代前期前葉(3世紀後半)まで青谷上寺地遺跡の人々の活動がしっかりと継続していたことが分かりました。
また、祭祀に使われた可能性がある高坏(たかつき)、青銅鏡、管玉(くだたま)など、出土品の解説も行いました。
今年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、会場で聴講いただくことができませんでしたが、オンラインでたくさんの方に御参加いただきました。ありがとうございました。来年度はいっそう魅力的な講座を企画しますので、御期待ください。