奈良時代、天皇の側近くに仕える「采女(うねめ)」と呼ばれる女官がいました。本書では、因幡出身の伊福吉部徳足比売(いほきべのとこたりひめ)、八上采女(やかみのうねめ)、国造浄成女(くにのみやつこきよなりめ)という3人の采女の活動を、残された貴重な資料からわかりやすく紹介します。
刊行 平成23年2月
頒布価格 500円
体裁 A5版 94ページ
著者 石田 敏紀
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目次
はじめに―采女とは―
1 七世紀中・後期の因幡―評の設置と分割―
『因幡国伊福部臣古志』と水依評/因幡国と水依評との関係についての諸説/高草郡の分出/七世紀中・後期の因幡
コラム:『因幡国伊福部臣古志』の信頼性
コラム:因幡国造氏と国造氏
2 伊福吉部徳足比売臣
骨蔵器の銘文/采女になった時期/天武朝から文武朝の徳足比売と因幡/徳足比売の死
コラム:古代人の名前の構造―氏・姓・名―
コラム:「伊福部」と伊福部臣氏
3 因幡八上采女
2つの人物像/安貴王の妻/藤原浜成の母/采女を貢進する郡/「八上采女」と記された木簡/元明朝から聖武朝初期の八上采女と因幡
コラム:采女は結婚できるか
4 国造浄成女
因幡出身の最高位者/宝亀二年の昇進の背景/称徳天皇の崩御と女官たちの動向/采女になった時期/桓武天皇との出会い/光仁朝から桓武朝の五位以上の采女/聖武朝から桓武朝の浄成女と因幡/因幡内親王の乳母、因幡国造苗取/浄成女の死
コラム:外位―畿内貴族と地方豪族の昇進の差異
コラム:采女を出すメリット
コラム:改名好きの称徳天皇
5 八世紀末の因幡―『因幡国伊福部臣古志』の成立―
「新たな」因幡国造氏の成立と因幡国内の変動/『因幡国伊福吉部臣古志』の成立
コラム:因幡守氷上川継の謀反
おわりに
巻末資料/日本古代史の基礎資料/関係する主な論文・書籍/あとがき
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