校内OJTのすすめ ~6月開催の研修から~
校内でのOJTをどのように進めていますか。
改めて確認すると、OJTは、「On The Job Training」の略で、校内における日常の業務を通じて、教職員として必要な知識や技能、態度等を身に付け高める取組です。教員の仕事は、マニュアル化しにくく、知識や理論をもとにした日々の教育活動をとおしてその資質・能力を育成していくものであり、育成の方法としてOJTが適していると言われます。
6月に開催した研修講座の中から、校内OJTの促進に向けて参考にしていただきたいことを紹介します。
〇キーワードは「心理的安全性の確保!」 ~副校長・教頭研修(A日程)より~
6月13日に開催した副校長・教頭研修(A日程)では、「管理職のリーダーシップと人材育成~企業における人材育成施策から考える校内OJTの進め方~」と題して、株式会社博報堂ホールディングスグループ人材開発戦略局マネジメントプランニングディレクターの久保田三絵様に、御講義いただきました。
博報堂では、先輩社員と新入社員をペアにして育成を図られているようですが、より速く高いレベルで成長するペアは、双方の関係性構築に向けて自分たちで何かしらの工夫をしているそうです。良好な関係性が構築できると、心理的安全性が確保されます。心理的安全性が高いと、提案したアイデアや質問を受け止めてもらえると感じたり、気兼ねなく発言できたりします。つまり、新入社員の成長のためにまず必要なことは、非難される不安を感じることなく、自分の考えや気持ちを率直に発言できる状態をつくることです。
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〇キーワードは「主体性」と「対話」~第2回初任者研修指導者等研修会・連絡協議会より~
6月15日に、第2回初任者研修指導者等研修会・連絡協議会を実施しました。鳴門教育大学特任教授の竹内敏様に、「初任者が育つ仕組み➀~効果的なOJT~」と題して御講義いただきました。
効果的にOJTを進める視点として、三つ挙げられました。特に、研修観を転換することの必要性を強調され、自ら物事を考え自らが責任を負う「主体性」とお互いの立場や意見の違いを理解し、そのずれをすりあわせ相互理解をめざす「対話」を生かした研修の有効性をお話しいただきました。そして、「主体性」と「対話」を生かして取り組むメンター制での研修は有効な研修の一つであると、とっとりメンター方式のメンターチーム研修について称賛いただきました。
また、初任者を育成するときのポイントとして、三つ挙げられました。一つ目は、初任者の指導者から伴走者への意識の転換。二つ目は、教師の成長プロセスは多様性に富み一様ではないことから、研修の個別最適化。三つ目は、振り返りにより学んだことを可視化し体験を経験にすること、自分を守るための報連相の習慣を身に付けること、どんな教師になりたいのか具体的に描き、学びをマネジメントすることなどにより次年度以降の成長を意識できるようにしていくことでした。
本講義動画をGoogleサイトに掲載していますので、ぜひ御視聴ください。
本講義動画へのリンク(google)
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小学校・中学校・義務教育学校で行う初任者研修では、メンター方式により初任者及び若手教員、さらにはミドルリーダーの育成と一石三鳥の人材育成を意図しています。講義からも、メンター方式の意義をうかがうことができました。
全教職員が主体的に学び合い、育ち合いながらともに成長しようとする意識の向上を図ることは、学校組織全体の活性化にもつながります。学校全体で人材育成の体制を整え、意図的、計画的、継続的なOJTの取組を確実に進めていただきたいと思います。
※メンター方式についての関連資料はこちらにあります。
「メンター方式関連資料」
※「OJTによるとっとり人材育成の手引き」も併せて御覧ください。
「OJTによるとっとり人材育成の手引き」