メンター方式を活用した人材育成
~中国・四国地区教育研究所連盟研究協議会(香川大会)より~
10月12日、13日に、中国・四国地区教育研究所連盟研究協議会(香川大会)が香川県教育センターを会場に開催されました。中国・四国地区の教育研究機関が集い、各研究成果を基にした協議や情報交換を行いました。
鳥取県教育センターは、「メンター方式を活用した人材育成」について、令和4年度の取組を中心に研究発表を行いました。
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会場:香川県教育センター
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【研究発表の概要】
「メンター方式を活用した人材育成について」
1 令和4年度版とっとりメンター方式の実施
令和4年度版とっとりメンター方式は、22地域86校(小学校64校、中学校22校)で実施した。令和3年度版とっとりメンター方式の課題として見えてきた校内指導教員の指導時間増加による負担感という課題を踏まえ、初任者研修に関わる者の役割分担を見直し、校内指導教員の指導時間の軽減を図った。
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研究発表の様子
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※研究発表資料より
2 令和4年度版とっとりメンター方式の成果と課題
成果と課題を明確にするため、初任者及びメンターチームメンバーにアンケート調査を行った。初任者及び若手教員はメンター方式を相談できる場が保障されている、ニーズに合った学びが得られる等、肯定的にとらえていることが分かった。一方で、メンターチーム研修の時間確保や指導教員等の役割の周知不足等の課題も浮かび上がってきた。
3 とっとりメンター方式全面実施に向けて
令和4年度版とっとりメンター方式の成果と課題を踏まえ、各学校の実態に合わせて運用できるよう初任者研修に関わる者の各役割における時間数に幅をもたせる等、柔軟性のある仕組みに変更した。また、役割が多様であり、理解が不十分であるという課題に対し、周知を図る方法に工夫を施した。
4 研究の成果と課題
メンターチームが初任者と比較的近い年齢の教員で構成されていることもあり、気兼ねなく相談できるチームとして機能しており、メンタルヘルスの面において効果を発揮している。また、特に小学校においては、メンターチーム研修の効果が各校で認識され、お互い困り感を出し合いながら本音で語る学び合いが定着しつつある。初任者、若手教員等のメンバー、メンターチームリーダーがそれぞれの立場で学び、その成果が各自の実践に生かされているという管理職の評価も得ている。
一方で、メンターチーム研修が本当に資質向上につながっているのかどうかということについては十分な検証ができていない面がある。そのため、今後は、中学校を含めより多くの学校で初任者を含めた若手教員、さらにはミドルリーダーとしての中堅教諭の資質向上につながるよう検証を進めながら、各校における主体的な学び合いをとおした同僚性の構築、学び合う風土づくりにつなげ、校内組織の活性化をめざしたい。
※メンター方式についての関連資料はこちらにあります。
「メンター方式関連資料」へのリンク
※「OJTによるとっとり人材育成の手引き」も併せて御覧ください。
「OJTによるとっとり人材育成の手引き」へのリンク