≪事情の聴取≫
あっせん活動に入ると、まず、公益・労働者・使用者の異なる立場から構成されている三名のあっせん員が同席し、労働者と事業主双方から個別に事情を聞き取り、主張の要点をたしかめます。
一方の当事者があっせん員と話し合っている間、もう一方の当事者は控室で待っていただくことになります。また、必要に応じて、労働者と事業主双方の同席での話合いを求めることもあります。
≪要点の整理≫
必要に応じて、
あっせん員は、労働者と事業主別々の控室に出向くなどして、当事者双方からさらに詳しく事情を聞き取り、互いの主張をとりなして譲り合いを勧め、対立や誤解をときほぐし、歩み寄りを図り解決に至るよう努力します。
≪あっせん案の提示≫
あっせん員は、労働者と事業主の双方に
あっせん案を提示し、これによって紛争を解決するよう勧めることがあります。
あっせん案が示されても、受諾するかどうかは当事者の任意です。もっとも、あっせん案は当事者が解決のきっかけをつかもうとしている時期を見計らって、公益・労働者・使用者の異なる立場から構成されている
あっせん員の
全員一致によって示されるものですので、実際にはその趣旨に従い解決する例が多くみられます。
また、あっせん案を提示するほかにも、紛争の解決を示唆するためにあっせん員が
見解(要望)を示すことがあります。
≪紛争の解決≫
あっせん案を受け入れるなどして、当事者の間で合意に達したときは、あっせん員が立ち会って労働者と事業主の双方があっせん案を受諾する旨の書面に調印します。この書面への調印は、民法上の和解契約を結ぶことを意味し、これにより労使間の紛争は解決します(あっせんによる解決事例)。
≪あっせんの打切り≫
労働者と事業主の主張に隔たりが大きく、妥協点を見いだすことができないなど話合いによって解決する見込みのないときは、あっせんは打切りとなります。また、あっせん案が提示されても、当事者の一方又は双方が受諾しない場合は、やはりあっせんは打切りとなります。
≪あっせんの取下げ≫
あっせん申請をした後、あっせん外で交渉が行われ紛争が自主的に解決するなど、あっせんの必要がなくなったときは、いつでも申請を取り下げることができます。