鳥取県は、県内の19市町村すべてから天の川が見え、流星群の時期でなくても流れ星が見えやすく、夜空を見上げれば、星に手が届きそうなくらいです。大都市に比べ、工場などが少なく空気もきれいで、信号機やネオンサインなどの人工的な光も少ないことから、星空が美しく見えるのです。
写真:大山まきばみるくの里にて(西伯郡伯耆町)
鳥取市佐治町にあるさじアストロパークは、口径103センチの反射望遠鏡やプラネタリウム、宇宙の展示、宿泊施設も備えた国内有数の公開天文台です。環境省が行っていた全国星空継続観察では、常に国内トップレベルの星の見えやすさを記録してきました。毎年、多くの天文研究者や愛好家がこの地を訪れ、美しい星空に魅了されています。
文豪、井上靖は、戦時下の昭和20年(1945年)6月から12月まで、家族を日野郡福栄村(現在の日南町)に疎開させました。井上は生前、福栄村を訪れた際の印象を「空気もおいしく、夜空にちらばっている星の光も美しかった。天の植民地にでも居る思いであった」と語っていました。現在、現地には井上靖が命名した「野分の館」(井上靖記念館)があり、「天体の植民地」という言葉を刻んだ文学碑が建立されています。
井上靖のほかにも、鳥取県ゆかりの人物として、「天体発見王」として知られた世界的アマチュア天文家の本田實(八頭町出身)、「月なきみ空に きらめく光」で始まる唱歌「星の界(よ)」を作詞した文学者の杉谷代水(境港市出身)がいます。美しい星空が人を育んできたと言えるのではないでしょうか。
鳥取県は、美しい星空が見える環境を県民の貴重な財産として保全し、次世代に引き継いでいくために、平成29年12月に「鳥取県星空保全条例」を制定しました。
鳥取県星空保全条例(全文)https://www1.g-reiki.net/tottori/reiki_honbun/k500RG00001893.html
<星空保全地域>鳥取市佐治町、倉吉市関金町、若桜町、八頭町、日南町、日野町、江府町
7つの星空保全地域の面積の合計は約1,183平方キロ。県全体の面積の3分の1を星空保全地域が占めています。
<星空保全地域の指定(鳥取県告示)> https://www1.g-reiki.net/tottori/reiki_honbun/k500RG00001946.html
<各星空保全地域の照明基準(鳥取県告示)> 各星空保全地域の「星空保全照明基準」については、鳥取県例規集(インターネット版)からご確認ください。
星空保全照明基準の設定 https://www1.g-reiki.net/tottori/reiki_honbun/k500RG00001947.html
星空保全照明基準等説明資料(pdf:991KB)
星空の美しい鳥取県を全国の皆さんにもっと堪能していただきたい、そんな思いをこめて、鳥取県は「星取県」を名乗ることにしました。星取県は、以下の取り組みを進めています。
・星空保全地域の指定及び県の支援制度
・夜空の明るさ調査の実施と結果の公表
・全国一斉の星空観察(夏・冬)への参加呼びかけ
・星空案内人の資格認定講座の開催
・星取県☆若者ネットワークの運営
・天体望遠鏡・双眼鏡の貸し出し
・移動プラネタリウムの貸し出し
・環境教育・普及啓発活動の推進
・星取県「今日の星空指数」の公開
・星空の美しいスポットの紹介
・星に関連する物語を手紙形式で紹介「星屑書簡」
・星取県推進功労者の知事表彰
・世界的な彗星ハンター「本田實」氏の紹介
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