11月17日に鳥取県立博物館にて「全教科/対話による深い学び」研修を行いました。この研修は、これからの時代に求められる子どもたちに育むべき力について教科等横断的な視点で鑑賞をとおして考えることにより、実践的指導力の向上を図ることを目的としました。
講師の武蔵野美術大学三澤一実教授からは、これからの社会に必要とされる基礎的能力の一つは「批評」であること、思ったことを言葉にすることで知識として定着させ、対話をとおしてで他人の発想からヒントを得て考えを深めたり、納得解を得たりすることが大切であることを学びました。また、鑑賞を取り入れることで児童生徒の自己肯定感が上がるとともに、教員も児童生徒の考えを丁寧に聞くようになり、コミュニケーションがスムーズになるなどの効果についても伺いました。
その後、展示室で実際に作品に向かい対話型鑑賞を体験しました。三澤教授によるファシリテーションの後、グループに分かれてファシリテーター役の受講者が選んだ作品について、対話による鑑賞を行いました。始めは、作品から少し離れていた受講者もだんだん前のめりになり、作品を指さしながら自分の感じたことを言葉にしたり、他の受講者の意見にうなずいたりと考えを深め合う姿が見られました。
受講者の振り返りには、「答えのないアートの鑑賞をとおして、共感し交流する楽しさ、多様な感じ方を知る喜びを子どもたちが感じられると思った。」「日々の生活の中で、生徒の意見を引き出し、生徒同士で議論を深めることができるような問いや言葉かけをしていきたい。」等の感想がありました。
今回の研修での学びをいかして、子どもたちの心の動きや思いに寄り添い、考えを引き出したり捉えたりする授業が各校で展開されることを期待しています。