小学校・義務教育学校 中学校・義務教育学校
特別支援学校 高等学校
7月31日から8月1日にかけて、校種ごとに3年目研修(研修番号2)を実施しました。3年目研修の大きなテーマは、「授業をとおして行う人間関係づくり」です。児童生徒の学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係、児童生徒相互のよりよい人間関係を築くことは必須です。
そのために、例えば、児童生徒が「自分も一人の人間として大切にされている」と感じることができる授業が求められ、自分を肯定的に捉える自己肯定感や、認められたという自己有用感を育む工夫が必要になります。例えば、共感的な人間関係を育成しようと思えば、授業の中で互いに認め合い、励まし合い、支え合える支持的な風土を築く必要があります。それには、教師が児童生徒の多様な個性を尊重し、相手の立場に立って考え、行動する姿勢を率先して示す必要があります。今回は、このようなことを各校種のエキスパート教員の実践をとおして学ぶ研修としました。
対象者の振り返りには、次のようなコメントがありました。
「2学期から学んだことを生かして児童同士の関わりの場を意識的に増やしていきたい。特に目的意識を児童と共有したペアワークやグループワークを行いたい。また、新たに上がった課題である話し合いを発表につなげる工夫を行う。ペア揃っての発表や反応の多様化等に取り組みたい。」
「生徒同士の人間関係と学習の関係性を結びつけることがなかなか難しかったが、実践をとおして、人間関係づくりが学習に与える影響の大きさを認識することができたように感じる。特に、協同学習による考えの深化はもちろん、クラスの結束の強化、自らの考えを伝えるハードルを下げるなどの効果は、学習の幅を広げることが実感できた。」
「授業で相互評価をする場面を作ってみたり、グループワークの際、各々に役割を与えて活動が活発になるような工夫を取り入れてみたいと思った。」
「学習を計画する中で、生徒の好きなもの、興味関心あるものを媒介にして、教員との関わり、生徒同士の関わりがある場面を設定するこを意識した。」
よい人間関係を築き、安心・安全な風土を醸成することはとても重要であり、主体的・対話的で深い学びの実現の鍵となります。児童生徒の個性が尊重され、各自が資質・能力を身につけるために安心して学べる授業をめざしたいものです。