8月8日(火)に、県立倉吉養護学校を会場にして「人間関係づくり」をテーマとした研修を開催しました。講師として立正大学の鹿嶋真弓教授をお招きして、認め合い高め合う人間関係づくりの理論と具体的な手法について体験をとおして学ぶ研修としました。
鹿嶋教授からは、学級づくりの基本的事項として次のようなことを御教授いただきました。
- 子どもは先生に認められるために学校に来ている
- 「目立たない子」ではなく先生に「目立たせてもらえていない子」
- 学校現場の教育課題は発達課題と学習課題
- 授業のねらいは「学力づくり」と「人間関係づくり」の同時達成
- 「学習意欲」は子どもにはじめからあるものではなく教師が育てるもの
また、具体的な手法として、構成的グループエンカウンターと知的交流体験である「ひらめき体験教室」について御紹介いただきました。
構成的グループエンカウンターは、インストラクション、エクササイズ、シェアリングという3本柱で構成し、ふれあいと自己発見を促進し、行動の変容と自己成長を目的とした技法です。効果を高めるためには、インストラクションで教師が自己開示してねらいを明確にすること、振り返りの後にすべての児童生徒にプラスのフィードバックをし、児童生徒と教師、児童生徒同士をつなげること、活動に意味付けをすることがポイントです。
「ひらめき体験教室」とは、主体的・対話的で深い学びのための準備体操のようなものです。グループで謎を解くために、たくさん話す、たくさん試す、間違いを恐れない、答えを出し続けることが必要で、それを繰り返すうちにグループ内に知的交流が自然に生まれてくることを意図した活動です。考え続けることの楽しさや仲間との一体感を味わうことができます。
これらの活動は、あくまでも目的を達成するための手段です。目的を達成するためには、活動の始めに目的や意図を共有すること、活動後の振り返りを行い、意味付けることが大切です。また、これらの手法を使えばよいということではなく、あくまでも一つの手法です。いずれにしても、明確な目的をもって活動を仕組むことが重要です。