スーパーに行けば1年中店頭に並んでいるトマトですが、本来は夏が旬の野菜です。鳥取県のトマトは5月上旬から11月上旬頃までが収穫時期です。
トマトの原産地は中南米のアンデス高原と言われており、コロンブスの新大陸発見に伴って、ヨーロッパに渡り、栽培が普及しました。日本には、江戸時代初期に入り、当時は観賞用・薬用として扱われました。食用として栽培され始めたのは、明治時代になってからですが、当時の日本の食生活には馴染まず、人気がありませんでした。
昭和に入り、戦後の食生活の洋風化と、良食味品種が導入されたことがきっかけで、ひろく食べられるようになり、いまや重要野菜の一つとなりました。
県内では日南町のトマト栽培は昭和46年にスタート。その後、雨よけハウスなどの施設導入が進み昭和62年頃から栽培が盛んになりました。
また、琴浦町のミニトマト栽培は、昭和58年頃から。主にスイカやメロンの裏作としてミニトマト栽培がスタートしました。
○日南トマト(収穫時期:7月上旬から11月中旬)
日南町は中国山地のほぼ中央に位置し、夏が涼しい準高冷地の気象条件を活かして、夏秋トマトを栽培しています。
○大原トマト(収穫時期:4月から6月)
倉吉市大原(おはら)地区で生産されるトマトです。大玉で糖度と酸味のバランスがとれた味わいで、無加温低段密植栽培で長期熟成させて甘いトマトに仕上げています。
○ミニトマト(収穫時期:5月下旬から11月下旬)
鳥取中部では、すいかの後作業にミニトマト生産が行われています。また、JA鳥取中央女性会赤碕支部の加工グループ「とまとフレンズ」は、選果場の格外品を利用して、ジュース、ケチャップを作っています。
枝上で完熟したトマトは、味が良い反面、日持ちがしにくいのが難点です。そこで、トマトの「追熟(ついじゅく)」という、収穫後も摂氏20度以上の環境にあれば色づく性質を利用して、店頭に並ぶものの多くは、緑色が残る状態で収穫されます。ちなみに熟した時点で「糖度」が決まりますので、甘みは期待できます。
トマトを選ぶときは
- へたがみずみずしい緑色でピンとしているもの。(収穫後の時間経過に比例して、へたは乾燥し、色も悪くなります。)
- 色づきが良く、しっかりと重みがあり、皮にツヤとハリがあるものを選びましょう。