磯の香り満点の精進料理
「えごのり」とも呼ばれる「いぎす草」をとろ火で煮とかし、容器に入れて固めた料理で、凝固剤などを加えなくても自然に固まる寒天やところてんと同じ原理の料理です。
ごまを振りかけて、酢味噌やしょうが醤油でいただきます。
見た目は地味ですが、食べると磯の香りが口いっぱいに広がり、冠婚葬祭には欠かせない料理でした。
いぎす草は県中部から西部の海岸べりにある石に春に繁茂する海藻です。
乾燥したいぎす草をもどして、酢味噌や辛子じょうゆ、しょうがじょうゆでいただく。
見た目は羊羹のようだが、口に入れると海の豊かな香りが広がり、独特の食感が楽しめ、精進料理にはなくてはならない一品でした。
いぎす草に着いている砂を取り除く作業が面倒ですが、後生に残したい料理です。