6月6日(火)に「新任道徳教育推進教師研修(小・中・義・特)」及び【小学校・中学校道徳2】「学校における道徳教育と道徳科の授業づくり」研修を実施しました。
研修の中で、前調査官である十文字学園女子大学の浅見哲也教授に御講義いただきましたので、その中の授業づくりと評価のポイントについて紹介します。
<授業づくりのポイント>
1 指導の意図を明確にするためにねらいとする道徳的価値の意義を理解し、指導の考え方を明確にする。
例えば、「規則の尊重」という内容項目でも、発達段階によってどこを考えて授業をすることが大事かが違う。それを学習指導要領解説を基にしっかり理解することが大切。
2 指導の意図を明確にするために日頃の教育活動を振り返り、子どもの実態を明確にする。
例えば、「きまりを守れない」という子どもの実態があるとき、「きまりがあることに気づかない」、「きまりの必要性が感じられない」等、その問題点がどこにあるのかを明確にする。
3 指導の意図を明確にするために教材をどんな風に活用し、どの場面でどんな発問をするかを明確にする。
また、道徳性を構成する諸様相(道徳的判断力,道徳的心情,道徳的実践意欲と態度)の中で、どの様相に焦点を当てるのかを考えることが大切です。同じ教材を活用するにしても、心情を育てるのであれば心情を問う発問、判断力を育てるのであれば考えを問う発問が多くなるかもしれません。
<評価のポイント>
〇大くくりなまとまりを踏まえた評価とすること
〇他の児童生徒との比較による評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として行うこと
〇学習活動において児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか、道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかといった点を重視すること など
教師の自らの授業を振り返る評価の観点、児童生徒の学習状況を見取る評価の視点は、どちらもつながっているもので、指導に生かされ、児童生徒の成長につながる評価でなくてはなりません。このことを指導と評価の一体化と言っているのです。児童生徒によりよく生きるための基盤となる道徳性を育む道徳教育と道徳科を改めて考えてみませんか。本記事をそのきっかけにしていただけると幸いです。