10月5日に、兵庫県立山の学校校長、田中裕一氏を講師にお迎えし、「新任教頭研修(全)(研修番号6)」、「副校長・教頭研修C」、「事務主幹・事務長研修C」を実施しました。「特別支援教育の視点を踏まえた学校運営のあり方」と題して、インクルーシブ教育システム構築に向けて必要な、保護者や関係機関との連携、組織的対応、校内体制のあり方について理解を深め、学校の実態に応じた具体的な取組について考える研修としました。
特別支援教育を柱とした学校経営を進めるための管理職の役割は、校長のリーダーシップの下、学校内での教育支援体制の構築・運営を図るとともに、学校内の体制について児童等・保護者や地域へ周知を行うことです。具体的には次のような役割があります。
- 校内委員会の設置と運営
- 特別支援教育コ-ディネーターの指名と校務分掌への位置付け
- 個別の教育支援計画及び個別の指導計画の作成と活用・管理
- 教職員の理解推進と専門性の向上
- 専門スタッフの活用
- 保護者との連携
- 専門家・専門機関との連携の推進
- 適切な情報の引継ぎ
分掌配置や校内OJTを意図を持って推進することにより人材育成を図ること、教育・家庭・福祉がつながり連携を保つことの重要性についても確認できました。
そして、管理職として、誰一人取り残さない学校運営を行うためのヒントとして、「Research」「Target」「Outreach」の3つの言葉をいただきました。
○「Research」(リサーチ)
自校(自分)や他校(他者)と比較する、地域や教員のニーズを把握する、教育以外の情報も含め、最新情報へのアップデートをするといった情報収集をすること。
○「Target」(ターゲット)
相手は何を望んでいるのか、何に困っているのかを考えること。
○「Outreach」(アウトリーチ)
「Research」&「Target」で、伝える相手を意識した情報収集を行い、お互いに半歩踏み出す勇気を持つこと。そして、最後まで諦めないこと。
特別な配慮を必要とする児童生徒の的確な実態把握、適切な指導、支援に向け、教職員全体の専門性を向上させるために必要な取組について、管理職として、学校の実態を踏まえながら考える機会となったとすれば幸いです。