衛生環境研究所では、タミフル耐性ウイルスの出現を監視するため、定期的にタミフル耐性遺伝子の確認検査を実施しています。タミフル耐性ウイルスに変異するのは、主にA2009型とAソ連型のインフルエンザウイルスで、A香港型やB型はほとんど変異しないことが分かっています。確認検査はA2009型インフルエンザウイルスで行っています。
■2023-24シーズン(2023年9月~2024年3月)は、5件の検査を実施しました。その結果、3件は感受性、2件は判定不能でした。
■2018-19シーズン(2018年9月~2019年8月)は、10件の検査を実施しました。その結果、4件は感受性、6件は判定不能でした。
■2017-18シーズン(2017年9月~2018年8月)は、9件の検査を実施しました。その結果、4件は感受性、5件は判定不能でした。
■2016-17シーズン(2016年9月~2011年7月)は、7件の検査を実施しました。その結果、2件は感受性、5件は判定不能でした。
■2015-16シーズン(2015年9月~2016年8月)は、18件の検査を実施しています。このうち 1件から薬剤耐性遺伝子が検出され、国立感染症研究所で薬剤感受性試験を行った結果、オセルタミビル(商品名タミフル)及びペラミビル(商品名ラピアクタ)に対して耐性を示すことが確認されました。
日本国内では、インフルエンザ治療薬として、主にオセルタミビル、ペラミビル、ザナミビル(商品名リレンザ)及びラニナミビル(商品名イナビル)の4薬剤が使用されていますが、これらすべてに耐性を示す変異ウイルスは、これまでに1例も検出されておりません。