1 定義
ウエストナイルウイルスによる熱性疾患である。
2 対象となる動物
鳥類に属する動物
3 動物における臨床的特徴
臨床症状は、一般的に無症状の場合が多いが、沈鬱、食欲不振、衰弱、体重減少等の特異的でない症状が見られる場合もある。鳥類に属する動物の中には、運動失調、振戦、転回、不全麻痺等の神経症状を呈するものもあり、カラス等のように感受性が高く、死亡する種類もある。臨床症状を呈する期間は、1日から24日の幅があるが、通常は1週間以内である。血液学的所見及び生化学的所見に特異的なものは認められない。
4 届出基準
(1)獣医師は、次の表の左欄に掲げる検査方法により、鳥類に属する動物又はその死体についてウエストナイル熱の病原体診断又は血清学的診断をした場合には、法第13条第1項の規定による届出を行わなければならない。この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に掲げるもののいずれかを用いること。
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検査方法
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検査材料
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ウイルス分離による病原体の検出
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総排泄腔拭い液若しくは口腔拭い液、血液又は脳、腎臓、心臓その他の臓器
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PCR法による病原体の遺伝子の検出
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中和試験による病原体に対する抗体の検出
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血清
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(2)獣医師は、臨床的特徴若しくは疫学的状況から鳥類に属する動物又はその死体がウエストナイル熱にかかっている疑いがあると診断し、又はかかっていた疑いがあると検案した場合は、(1)にかかわらず、病原体診断又は血清学的診断を待たず法第13条第1項の規定による届出を行わなければならない。
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