防災・危機管理情報


2023年8月10日

教師が子どもとつながる、教師が子どもと子どもをつなげるために ~【人間関係づくり】「温かい人間関係から始めよう~感情交流・知的交流体験をとおして人間関係づくりを学ぶ~」研修から~

会場のようす グループ討議

8月8日(火)に、県立倉吉養護学校を会場にして「人間関係づくり」をテーマとした研修を開催しました。講師として立正大学の鹿嶋真弓教授をお招きして、認め合い高め合う人間関係づくりの理論と具体的な手法について体験をとおして学ぶ研修としました。

鹿嶋教授からは、学級づくりの基本的事項として次のようなことを御教授いただきました。

  1. 子どもは先生に認められるために学校に来ている
  2. 「目立たない子」ではなく先生に「目立たせてもらえていない子
  3. 学校現場の教育課題は発達課題学習課題
  4. 授業のねらいは「学力づくり」と「人間関係づくり」の同時達成
  5. 「学習意欲」は子どもにはじめからあるものではなく教師が育てるもの

また、具体的な手法として、構成的グループエンカウンターと知的交流体験である「ひらめき体験教室」について御紹介いただきました。

構成的グループエンカウンターは、インストラクション、エクササイズ、シェアリングという3本柱で構成し、ふれあいと自己発見を促進し、行動の変容と自己成長を目的とした技法です。効果を高めるためには、インストラクションで教師が自己開示してねらいを明確にすること、振り返りの後にすべての児童生徒にプラスのフィードバックをし、児童生徒と教師、児童生徒同士をつなげること、活動に意味付けをすることがポイントです。

「ひらめき体験教室」とは、主体的・対話的で深い学びのための準備体操のようなものです。グループで謎を解くために、たくさん話す、たくさん試す、間違いを恐れない、答えを出し続けることが必要で、それを繰り返すうちにグループ内に知的交流が自然に生まれてくることを意図した活動です。考え続けることの楽しさや仲間との一体感を味わうことができます。

これらの活動は、あくまでも目的を達成するための手段です。目的を達成するためには、活動の始めに目的や意図を共有すること、活動後の振り返りを行い、意味付けることが大切です。また、これらの手法を使えばよいということではなく、あくまでも一つの手法です。いずれにしても、明確な目的をもって活動を仕組むことが重要です。

2023年8月3日

授業をとおして行う人間関係づくり ~「3年目研修(小・中・義・高・特)(研修番号2)」より~

3年目小学校 3年目中y学校

  小学校・義務教育学校       中学校・義務教育学校

3年目特別支援学校 3年目高等学校

    特別支援学校            高等学校

 

 7月31日から8月1日にかけて、校種ごとに3年目研修(研修番号2)を実施しました。3年目研修の大きなテーマは、「授業をとおして行う人間関係づくり」です。児童生徒の学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係、児童生徒相互のよりよい人間関係を築くことは必須です。
 
 そのために、例えば、児童生徒が「自分も一人の人間として大切にされている」と感じることができる授業が求められ、自分を肯定的に捉える自己肯定感や、認められたという自己有用感を育む工夫が必要になります。例えば、共感的な人間関係を育成しようと思えば、授業の中で互いに認め合い、励まし合い、支え合える支持的な風土を築く必要があります。それには、教師が児童生徒の多様な個性を尊重し、相手の立場に立って考え、行動する姿勢を率先して示す必要があります。今回は、このようなことを各校種のエキスパート教員の実践をとおして学ぶ研修としました。
 
 対象者の振り返りには、次のようなコメントがありました。
「2学期から学んだことを生かして児童同士の関わりの場を意識的に増やしていきたい。特に目的意識を児童と共有したペアワークやグループワークを行いたい。また、新たに上がった課題である話し合いを発表につなげる工夫を行う。ペア揃っての発表や反応の多様化等に取り組みたい。」
「生徒同士の人間関係と学習の関係性を結びつけることがなかなか難しかったが、実践をとおして、人間関係づくりが学習に与える影響の大きさを認識することができたように感じる。特に、協同学習による考えの深化はもちろん、クラスの結束の強化、自らの考えを伝えるハードルを下げるなどの効果は、学習の幅を広げることが実感できた。」
「授業で相互評価をする場面を作ってみたり、グループワークの際、各々に役割を与えて活動が活発になるような工夫を取り入れてみたいと思った。」
「学習を計画する中で、生徒の好きなもの、興味関心あるものを媒介にして、教員との関わり、生徒同士の関わりがある場面を設定するこを意識した。」
 
 よい人間関係を築き、安心・安全な風土を醸成することはとても重要であり、主体的・対話的で深い学びの実現の鍵となります。児童生徒の個性が尊重され、各自が資質・能力を身につけるために安心して学べる授業をめざしたいものです。

2023年7月10日

子どもの育ちと学びをつなぐために~新規採用幼稚園・幼保連携型認定こども園教員研修4より~

図1  図2

7月4日(火)に、新規採用幼稚園・幼保連携型認定こども園教員研修(研修番号4)を実施しました。今回のテーマは「小学校教育の理解と連携・接続」です。

米子市には、子どもの成長過程全体を切れ目なく支援するために、教育と福祉が一体となった子ども総本部という組織があります。また、昨年度、長期社会体験研修として保育所で研修をされた方があり、それぞれに取組や実践を発表していただきました。そして、入学したばかりの1年生が学校生活を送る様子の動画を視聴し、その中から「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を見取り、共有する演習を入れながら学ぶ研修としました。

幼児教育では、育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」の3つが示されています。学校教育で育成をめざす資質・能力の基礎ということになりますが、大きく違うところは、到達目標ではなく、方向目標であるということです。また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として10の姿が示されています。これは、3つの資質・能力が育っていくと、あらわれてくる姿であり、その一つ一つを取り出して指導したり評価をするものではありません。

学校教育と幼児教育では異なることもたくさんありますが、子どもの育ちと学びをつなぐために、それぞれのよさを尊重しながら連携することが重要です。園では、一人一人の発達に必要な体験が得られるような状況をつくったり、必要な支援を行ったりして、幼児期の教育における成果を小学校へ確実につなぐことです。小学校では、幼児期において自発的な活動としての遊びをとおして育まれてきたことが各教科等の学習に円滑に接続されるよう、指導の工夫を行うことです。そして、それらを互いの指導法の改善につなぐことが大切です。

鳥取県教育委員会では、「鳥取県架け橋期のカリキュラムの検討・開発のポイント」や「幼保小接続リーフレット」を作成しています。御参照ください。

 

2023年7月7日

AしたければBの原則!伝え方の工夫をし、支援できる力を高めましょう。~【学級経営・ホームルーム経営】研修より~

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6月30日に、関西国際大学の教授、百瀬和夫様を講師にお迎えし、【学級経営・ホームルーム経営】「多様性を認め合い誰もが安心できる学級づくり~特別支援教育の知見を生かした学級経営・ホームルーム経営~」研修を実施しました。

 例えば、言葉遣いが悪く、暴力的で友達とよくトラブルを起こす子どもをどのように理解しますか?困った子どもですか?困っている子どもですか?困った子どもたちととらえれば、叱る対象になるでしょう。しかし、困っている子どもととらえれば、親切にする対象になります。後者のように理解できるか否か、それがユニバーサルデザイン教育の出発点です。

 子ども理解が進むと、自分自身の子どものとらえ方を変えることができます。すると、子どもを見る表情や、言葉のかけ方が変わるはずです。それにより、子どもが変わるのです。人は、自分の力で成長するもの。人に人は変えられないので、自分のとらえ方を変えることが大事とのことでした。
 
 また、人間の脳は、危機管理が優先になっているため、健康な脳は、「不快」と感じることは避ける仕組みになっており、困った子ととらえると、「叱る→反抗する」の負の連鎖に陥ってしまいます。例えば、静かにさせたいとき、静かにしなさいと叱るのは有効ではなく、別の方法で効果的に伝えることが必要になります。これが、AしたければBの原則です。困っている子どもという理解のもと、伝え方の工夫ができることが教師の力量であり、それを習慣化することがプロの「教師の脳」を創るのだそうです。

 最後に、特別支援の知見を生かした子ども対応の基礎基本として3つ挙げられました。それは、笑顔と微笑み、プラスの言葉かけ、たくさん触れる(スキンシップ)でした。教師が、子ども理解と指導理解(自分理解)を進めることで、子どもたちが安心して過ごせる学級をつくりたいものです。

 詳細は、講義動画を御視聴ください。

 講義動画へのリンク(外部リンク google)
 

2023年7月5日

授業での効果的なICT活用につながることを願って~初任者研修(小・義)5A、(中・義)4A、(高)4より~

初任者研修(小・義) 初任者研修(高)

(小学校・義務教育学校) (高等学校)

初任者研修(中・義)

(中学校・義務教育学校)

 全10回の初任者研修も4回目、5回目となり、校種によっては折り返しを迎えました。
 6月29日に開催した初任者研修では、ICTを積極的に活用してみました。一人一台端末の環境までは整えることができませんでしたが、各校種ともグループに一台の端末を用意して臨みました。普段から端末を持参している対象者もいて、特に、高等学校は半数程の対象者が持参して、Google Classroomに掲載している資料を見たり、講義中に気づいたことをメモしたりすることに使ったりしています。
 今回、小学校・中学校・義務教育学校では、グループ演習においてスライドを使ってまとめた上で、全体共有を図りました。スライドを使うことにより、視点を明確にしてまとめることができること、視覚支援にもなること、また、まとめたことがストリームに残るため、再度確認することができるよさなどを感じました。高等学校では、グループ協議の際に、Classroomに掲載しているスプレッドシートに書き込み、それをスクリーンに投影して共有を図りました。いずれの校種においても今回は、「共有機能を生かす」使い方をしました。
 鳥取県学校教育情報化推進計画において、本年度は「活用充実期」です。授業のねらいの達成に向けて日常的な活用から、さらに、児童生徒が授業の中で使い方や場面を「選んで」活用することを目標としています。
 教育センターの研修でのICT活用が受講者の皆様の授業での活用イメージにつながることを期待し、特に基本研修においては、引き続きICTの活用場面を設定していきたいと考えています。

 御参照ください。
 令和4年度 とっとりICT活用ハンドブック 増補版(鳥取県教育委員会)

   


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