8月31日、県立倉吉総合産業高等学校においてオンライン授業が始まりました。
分散登校に伴い、生徒の半数が自宅でのオンライン授業、半数が教室での授業という形態での取組です。生徒はGoogle Classroomを経由してGoogle Meetに参加し、教室と自宅をつないで学習しました。
授業を担当する教師は、次のような様々な準備、配慮をしながらオンライン授業を進めていました。
・事前に、授業クラスごとのGoogle Classroomを作成し、生徒を招待
・ショートホームルームの時間に、生徒のGoogle Meetへの参加で出席を確認
・端末のカメラの位置、角度を調整して、画面越しでも板書が見えるよう工夫
・Google Meetでの音声、映像の伝わり方を把握
他にも、自宅参加の生徒にも鮮明に映像が届けられるよう、画面共有機能を使って教材を提示したり、学習効果が上がるよう、実物にカメラを近づけて見せたりと、様々な配慮や工夫が見られました。
生徒の目に映っていたのは、<教室と自宅をオンライン上でつなぐために多くの準備を丁寧に行う教師>や<学習の質の確保に向けて工夫を重ねる教師>でした。オンライン授業のサポートに入った私も、生徒の学びを保障するためにチャレンジしているたくさんの教師の姿に出会うことができました。この姿はきっと生徒のチャレンジにも大きくつながることでしょう。
鳥取県教育センターでは、このような学校のチャレンジをサポートしています。
・Google Classroomに児童生徒を招待する
・Google Meetのレイアウトを変更する
といった基本的な内容から、
・Google Classroomの課題配付・提出機能を活用する
・Google Meetの画面共有機能を活用する
・Google MeetとJamboardを併用する
といった内容など、本年度の教職員研修をオンラインで実施してきた当センターのノウハウを提供することができます。どうぞお気軽にお声かけください。
(1)「授業やホームルームにおいて、生徒が思いや感情を表現したり、他者と協働する場面をこまめに取り入れ、『学校でしかできないこと』を考え続け実践したいと感じました。」
(2)「それぞれが持っているアイデアを受け止めながら、話し合いを重ね一つにまとめていくことは、難しいことでもありますが、それができたときの達成感は大きいと感じました。そのような話合いをさせるために、役割をはっきりさせることと、小グループから練習を重ねるということを夏休み明けからチャレンジしてみたいと思います。」
(3)「1人では体験できないこと、1人では味わえない感情等、相手と一緒に活動することの楽しさや良さを改めて実感できた。自分1人では思い付かないことを教えてもらえたり、苦手な部分を補い合えたり、個ではできない経験を学習場面で取り入れていくことにより、子ども同士の繋がりに広がりが見えてきたり、関係性も変化していくのだろうと感じた。その際、一緒にやってよかったと思えるよう、教師が評価して認め伝えること、自分たちにもできることがたくさんあって、役割もたくさんあることを、機会を逃さず伝えていくことも大切だと感じた。」
これらは7月27日(火)3年目研修の受講者の感想です。この研修では、各自が所属校でタブレット端末を活用し、鳥の劇場 中島諒人芸術監督の指導のもと、。「路線バスの新しい生かし方」というテーマで、グループでのCM作成に取り組みました。
完成に至るまでの過程で、他者と協働して一つのものをつくりあげることの大切さや、共に学び合う人間関係づくりを意図的計画的に仕掛けていくことの大切さを感じ取り、早速、児童生徒の話し合いの場面や自身の授業と重ね、夏休み明けからの実践に意欲を高めていました。各グループの出来上がった作品は、個性を生かしたユニークなものでした。
3年目研修では、自己成長のマネジメントや人間関係づくりに関する課題研究をとおして、教員としての実践的指導力の向上をめざしています。夏季休業後も受講者それぞれが設定しためざす児童・生徒像の実現にむけて、本日の学びを生かしてほしいと思います。
7月16日に、令和3年度山陰教師サポート連携協議会(S×T協議会)を開催しました。
この協議会は、島根大学教師教育研究センターと鳥取県教育センターが連携し、鳥取県内の学校現場の現状を踏まえた教員支援と人材育成に向けた具体策を協議することを目的とするものです。
島根大学教師教育研究センターをはじめとする島根大学関係者、県教育委員会事務局関係各課、各教育局等22名が遠隔で参加し、各機関の最新の情報を共有するとともに、「初任者支援の充実」と「未来の教師育成」に向けた熱心な協議を行いました。
初任者支援の具体策として、次のような案を協議しました。島根大学の教職員と県教育センター指導主事が共に初任者を対象としたオンライン座談会を実施すること、所属校訪問による初任者研修(研修番号9)の際に、島根大学出身者については島根大学教職員が同行し、面談を実施すること、ICTを活用した連携事業を行うこと等です。
本年度も島根大学としっかりと連携し、初任者支援を中心とした教員支援と人材育成を進めていきたいと思います。
ふるさと鳥取県におけるキャリア教育のあり方ついて理解し、その推進のための具体的な手立てについて考えること、「キャリア・パスポート」について理解を深め、小学校から高等学校を通じた系統的な指導につなげていくことをめざして研修を行いました。
本県における「ふるさとキャリア教育」のあり方について小中学校課から説明後、ふるさとキャリア教育モデル事業実施地区の日野町から、小・中・高等学校が連携し、地域人材を活用した取組について紹介していただきました。地域社会とつながることを意識しながら児童生徒を育成する取組でした。
続いて、筑波大学藤田晃之教授のキャリア・パスポートの活用に焦点をあてたキャリア教育のあり方についての講義では、学ぶことが将来につながっていることを実感させることが有意義な取組になること、大人が鳥取を好きでいることが大切であることをお話しをしていただきました。
受講者の「異校種の先生の取組やキャリア教育の考え方を知り、今後のキャリアパスポートへの取り組ませ方や子どもへの言葉かけなどを考えるきっかけになりました。」などの感想から、「ふるさとキャリア教育」のあり方や他校種の実践について理解を深め、縦のつながりを意識した実践の重要性について再認識している様子がうかがえました。
今後、子どもたちが予測困難な社会の中で、ふるさと鳥取を愛し、それぞれに思い描く幸せを実現する力を身に付けていくために、「キャリア・パスポート」を活用しながら学年間や学校間をつなぐことを大切にした実践が積み上げられることを期待します。
県教育センターでは、8月までの研修について、原則非集合としており、学校経営研修も県内外の講師と各所属校をつないで実施しています。
6月21日には、大阪で法律の専門家の立場で子どもの育成に関わっている弁護士をオンラインで招き、新任校長32名を含めた校長62名を対象とした学校危機管理と校長の役割についての研修を実施しました。
講義では、現在の学校教育が抱える様々な問題について、最新の事例を挙げながら、背景をきちんとアセスメントして支援方法をプランニングし、チーム対応することの重要性を伝えていただきました。一同大変熱心に聴き入る様子がうかがえました。
研修後の振り返りでは、自校の事故発生時の体制の点検や、いじめ対策委員会の在り方の見直しといった具体的な取組に早速着手したいという声が多くありました。研修での学びが学校経営に生かされ、子どもたちがより安心・安全な学校生活を送ることを切に願います。
教育センターでは、画面越しであっても、県としての思いを発信しつつ、学校のニーズと最新の情報をつなぐ研修を工夫していきます。