労使ネットとっとり(鳥取県労働委員会 個別労使紛争解決支援センター)で扱っている、個別労働関係紛争あっせんにより解決した事例を紹介しています。
なお、事例の内容につきましては、紛争当事者等が特定されないよう、若干の変更を加えてある場合があります。
≪事例2―賃金の未払≫
トラブルの発生 |
Bさんは、勤め先のX社の経営状況が思わしくないこともあり、最近は給料(基本給)が決められたとおりきちんと支払われていませんでした。それでもBさんは我慢して働き続けていましたが、ある日、社長から「金が払えないので、これ以上仕事に出てきてもらっては困る」などと言われたため、ついに退職を決意しました。
Bさんは、退職後も、未払賃金の支払いを会社に対して求めましたが、社長は「金がない。ないものはない」の一点張りで応じません。
そこで、Bさんは未払賃金の支払を求めて、『労使ネットとっとり』にあっせんを申請しました。 |
あっせんの経過 |
あっせん員の説得に応じて、社長はあっせんに参加することになりました。
あっせん員が、法律や判例に照らして、労働者の賃金は会社の経営が苦しくても優先的に支払わなければならないことを説明したところ、社長は「それは分かったが、経営は本当に苦しく、まとまったお金を用意できない」と答えました。 |
事件の解決 |
そこで、当事者双方の意向を踏まえながら、あっせん員が歩み寄りを勧めた結果、X社が未払賃金を毎月少しずつ支払っていくことであっせん案がまとまりました。
BさんとX社は、このあっせん案を受け入れ、事件は解決しました。 |