令和元年5月18日(土曜日)、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席のもと、国土交通大臣、鳥取県知事、鳥取県議会議長、鳥取市長および鳥取市議会議長等が出席し、第30回全国「みどりの愛護」のつどいが開催されました。全国各地より緑化関係者等が一堂に集う盛大なものとなりました。
開催にあたり、皆様方のご協力とたくさんのご支援ありがとうございました。
開催日 令和元年5月18日(土曜日)
会場 コカ・コーラ ボトラーズジャパンスポーツパーク
主催 国土交通省・鳥取県・鳥取市
行事参加者 総計1444名
開催趣旨
貴重な緑を守り親しむとともに、豊かな心を育むことを願って、全国の公園緑地の愛護団体等の関係者が一堂に集い、広く都市緑化意識の高揚を図り、緑豊かな潤いのある住みよい環境づくりを推進するため開催するものです。
内容
○ウエルカム演奏
鳥取県立鳥取西高等学校吹奏楽部・弦楽部・合唱部による「ニュンベルンブルグのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲、大地讃頌。
○プロローグ
鳥取サクソフォーンクラブ
鳥取県・鳥取市の紹介映像に合わせ、鳥取サクソフォーンクラブが、「大黒様」、「きらきら星」などを演奏。
傘踊り:百花繚蘭
合唱:鳥取大学混声合唱団フィルコール
○式典
式典では、主催者挨拶、みどりの愛護活動事例紹介、国土交通大臣・鳥取県知事による功労者表彰、秋篠宮皇嗣殿下によるおことば、地元小学生による誓いの言葉等が行われました。
○主催者あいさつ
◆石井国土交通大臣
本日ここに、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、全国各地から多数の皆様のご参加を得て、第30回全国「みどりの愛護」のつどいを開催できますことは、誠に光栄であり、喜びに堪えません。
また、地元鳥取県及び鳥取市の関係者の皆様におかれましては、開催に当たりご理解とご協力を賜り、深く感謝を申し上げます。
多くの生命を育む緑は、人の心に安らぎを与え、自然とのふれあいの場を与えてくれる貴重な存在です。また、災害に強い国土・地域づくりの推進の観点からも大切な存在です。全国「みどりの愛護」のつどいは、「みどりの日」の制定の趣旨を踏まえ、この貴重な緑を守り、育て、親しむとともに、その恵みに感謝し、豊かな心を育むことを願い、平成2年から開催してまいりました。
本年の会場であります、ここ「鳥取県立布勢総合運動公園」は、昭和60年の「わかとり国体」の主会場として開設された広域公園で、県民の生活にうるおいとやすらぎを提供している公園であると伺っております。
52ヘクタールの広大な敷地には、健康づくりやスポーツ競技のための様々な施設のほか、家族連れで賑わう広場や趣のある日本庭園などが整備され、子どもからお年寄りまで、幅広い年齢の方々に利用されています。
このような場に、本日、日頃から緑を守り、育むことに尽力されている方々が一堂に会し、国民の皆様の緑化に対する意識を、さらに高めていただきますことは、誠に意義深いものであります。
国土交通省といたしましても、皆様との連携のもと、都市公園の整備などを通じて、公有地の緑の確保を図るとともに、民間の緑地の保全や創出などの取組を積極的に進めてまいります。
結びに、皆様の一層のご活躍により、緑を愛する活動の輪がますます広がっていくことを、心から祈念するとともに、御臨席の皆様のご健勝をお祈りいたしまして、私の挨拶といたします。
◆平井鳥取県知事
皆様、おはようございます。
本日ここに秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお迎えをし、ここ鳥取市におきまして全国「みどりの愛護」のつどいが開催されますことは、地元鳥取県民にとりましてこの上ない喜びであり、また、皇嗣となられましたことに対しまして、心からのお祝いを、県民とともに申し上げたいと思います。
本日は、石井啓一国土交通大臣、また、有路会長はじめ、全国各地からこの鳥取へお越しをいただきました。心からご歓迎を申し上げたいと思います。ようこそようこそ、よう来んさりました。
そして、深澤市長さん、さらには藤縄議長や山田議長はじめ、ご関係の皆様が力を合わせられまして、この「みどりの愛護」のつどいを成功裏へと今導こうとされておられます。心から敬意を表し、感謝を申し上げ、また、これから表彰を受けられる皆様に対しまして、心よりのお祝いを申し上げたいと思います。
令和という新しい時代が始まりました。令和は万葉集の梅花の宴から取られた言葉でございます。
「春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ」
伯耆国、旧の鳥取県の国司も務められました山上憶良の歌でございます。
人々が豊かな自然の中で絆を結び合い、暮らしていく。そんな幸せの形が令和という時代のテーマになります。私達はここ鳥取からそうした新しいムーブメントを興していきたいと思います。
一木一石運動は昭和60年に始まりました。大山の山頂が登山客のために乱されてしまい、緑が失われました。今では運動の成果として緑が蘇り、夏にはヒメボタルが山頂を舞います。
また、私達のこのふるさと、平成22年の暮れから平成23年正月にかけまして豪雪があり、2万本を超えるマツが折れてしまいました。白砂青松の松原を取り戻そうと、ボランティア達が立ち上がり、抵抗性のマツ等を植え、今、その姿を取り戻しつつあるわけでございます。
みどりの愛護の運動の末に、私たちの令和の未来が拓けてくるわけであります。
緑はいろいろな命の源であり、緑豊かな、守られているところに生命は宿ります。
「人々が 笑みを湛へて 見送りし こふのとり今 空に羽ばたく」
秋篠宮皇嗣殿下が豊岡でコウノトリの放鳥をされる時に詠まれた御歌でございます。
令和最初の4日目、5月の4日、令和最初のみどりの日に、ここ鳥取市内でコウノトリのひながふ化しました。私達の、この鳥取からの新しい命のスタートでありました。
ぜひ、お集りの皆様とともに、ここ鳥取から新しい令和のみどりの風を吹き上げて参りたいと思います。
コウノトリ舞う空へ、そして幸せをはぐくむ全国のまちへ、むらへ。皆様とともにみどりの風を起こしてまいります。
秋篠宮皇嗣殿下、妃殿下のいやさか、お集りの皆様のご健勝とご多幸、緑生まれる素晴らしいふるさとが全国各地に育つことをお祈りを申し上げまして、私からの御礼とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
◆深澤鳥取市長
本日、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を仰ぐとともに、全国各地から多くの皆様をお迎えし、令和の時代最初の第30回全国「みどりの愛護」のつどいが、本市において盛大に開催されますことは誠に光栄であり、鳥取市民を代表して心から歓迎とお礼を申しあげます。
本市は、古くは律令時代に因幡の国の国府が置かれ、早くから開けた地でありました。新しい元号「令和」の出典である万葉集を編さんしたと言われる大伴家持が、万葉集の最後を飾る「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事」と祝い歌を詠んだのも、因幡の国の国守としてこの地に赴任していた時であります。「新しい年の始めにあたって、今日降る雪のように、良い事が重なりますように」と、季節こそ違え、新しい時代の始まりにも似合った歌でございます。
江戸時代には鳥取藩32万石の城下町として栄え、明治22年には、全国36番目の市として市制を施行し、今年は市制施行130年を迎える記念すべき年であります。
平成30年には中核市に移行し、充実した市民サービスで魅力と活力のあるまちづくりを進めているところでございます。
さて、本市の北側全域は、本年2月、ユネスコ世界ジオパークとして再認定された「山陰海岸ジオパーク」のエリアにあり、日本一の起伏を誇り毎年多くの観光客を魅了する「鳥取砂丘」、日本一大きな池である「湖山池」などを有しております。
本市では、湖山池公園で、平成25年に第30回全国都市緑化とっとりフェアを開催したことを契機に、地域の環境に適した植物を使い、その植物が本来持つ力を活かしたナチュラルガーデンの手法による緑化活動に取り組んでおります。
湖山池公園、鳥取駅などに設けた緑地をはじめ、地域の方々の憩いの場である街区公園などにおいても、住民主導によるナチュラルガーデンの整備が進められているところでございます。当地は以前よりボランティア活動の盛んな地でありまして、公園、道路など市内の至るところで、地域住民による緑化活動や清掃活動などの美化活動が実施されております。
利便性と豊かな自然の双方が揃っている本市は、環境の良さや自然の恵みを享受しやすいことから、住みたい田舎として高く評価されておりますが、このような住民による美化活動も街の魅力を引き上げていると感じる次第でございます。
全国からお越しの皆様にも、本市の豊かな緑と自然を御覧いただきますとともに、鳥取の歴史、文化を感じていただきたいと思います。
本日、開催されます全国「みどりの愛護」のつどいは、緑を守り育て親しむとともに、広く都市緑化意識の高揚を図る絶好の機会であります。これを機に、本市におきましても、潤いに満ちた緑豊かなまちづくりに、より一層、努めてまいりたいと考えております。
結びに、全国各地から御出席いただきました皆様の御健勝と御活躍を御祈念いたしますとともに、本つどいを契機に、自然豊かな緑に彩られた美しいまちづくりが、今後ますます進展されますことを心よりお祈り申し上げ、御挨拶といたします。
○みどりの愛護活動事例紹介
鳥取市立岩倉小学校
○第30回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰
みのり2丁目公園を愛する会(福井県福井市)
○第30回全国「みどりの愛護」のつどい記念鳥取県都市緑化功労者知事表彰
鳥取商工会議所青年部(鳥取県鳥取市)
秋篠宮皇嗣殿下おことば
第30回全国「みどりの愛護」のつどいが、「浦富海岸」「鳥取砂丘」「弓ヶ浜」などの県内各地で異なった特徴を有する海岸線や、「大山」を始めとする中国山地の山々など、美しく多様な自然環境に恵まれた鳥取県において開催され、日頃から緑の保全育成に携わっておられる皆様とともに出席できましたことを誠に嬉しく思います。
全国「みどりの愛護」のつどいは、広く都市緑化意識の高揚を図り、緑豊かな潤いのある住みよい環境づくりを推進するため、1990年に第1回の「つどい」が大阪の国際花と緑の博覧会会場で開催されました。その後は、国営公園や都道府県管理の公園において、全国の公園緑地の愛護団体や地域の緑化・緑の保全団体など緑の関係者が一堂に会し、緑を守り育てる国民運動を奨励する行事として実施されてきたと伺っております。
緑は、私たちの暮らしに豊かさや安らぎをもたらしてくれます。また、美しい景観の形成や生物多様性の保全、そして防災性の向上など、多くの機能を有します。さらに、温暖化に代表される地球環境問題への対応を考えるとき、二酸化炭素の吸収源として、あるいはヒートアイランド対策としての大切な役割も果たしております。
このように、貴重な緑と、その緑を源とする清らかな水を守り、新たな緑を創り出し、育てていくためには、多くの人々がその大切さを理解し、幅広く運動に参加していくことが重要でありましょう。その意味で、本日表彰を受けられた方々の緑の愛護活動への取組は、大変意義深いものであり、皆様の努力に対し深く敬意を表します。
終わりに、この度の「みどりの愛護」のつどいをひとつの契機として、全国から参加された皆様が相互に交流を深め、緑を守り育てる心を新たにされるとともに、ここ鳥取から緑豊かな環境づくりの活動が一層発展していくことを願い、本式典に寄せる言葉といたします。
○誓いの言葉(手話を交えた宣誓)
鳥取市立佐治小学校 県立鳥取聾学校
花とみどりにあふれた美しい鳥取の風景は、私たちの心に、
やすらぎと潤いを与えてくれます。
みどりは、かけがえのない地球環境を守ります。
そして、生きるものすべての命を支え育ててくれます。
平成が終わり新しい令和の時代が始まりました。
私たちは、
その令和時代の幕開けに、あらためてみどりの大切さを確認し、
第30回の節目を迎える全国「みどりの愛護」のつどいに集結し、
ここ新緑鮮やかな鳥取の地から誓います。
一つ 私たちは、みんなでみどりを愛し、守り育て、未来に伝えます。
一つ 私たちは、みどりに親しみ、みどりの愛護活動をさらに進めます。
一つ 私たちは、みんなで力をあわせ、花とみどりのまちづくりを進めます。
一つ 私たちは、みどりとふれあい、思いやりのある社会、
そしてかけがえのない自然豊かな地球を、みんなの力で守り育てていきます。
○記念植樹
秋篠宮皇嗣同妃両殿下が 「マメナシ」を、各地区表彰団体等代表植樹者が「ヤマボウシ」を記念植樹されました。
プロローグ
因幡麒麟獅子舞の会
○会場緑化装飾御覧
全国から来場いただく皆さんに向けて、県内農業高校(4校)が制作した「ウエルカムコンテナガーデン」 や「飾花プランター」、市民の皆さんに植栽・制作いただいた「ナチュラルガーデンプランター」を両殿下にもご覧いただきました。
県立鳥取湖陵高等学校
テーマ「新たな年へ」
5月1日から新年号である「令和」となりました。
鳥取湖陵高校では、新たな時代をお祝いする気持ちと、進みゆく時代が華やかに益々発展していって欲しいという願いを込めた船形のコンテナガーデンを制作しました。
鳥取湖陵高校の近くには鳥取県に豊かな恵みをもたらす日本海と日本一の湖山池があります。美しい日本海、穏やかな湖山池に浮かぶ「令和丸」をイメージするとともに、人々の願いをのせた船が順風満帆に時代を進んでいくという様子をイメージしました。
様々な角度から見ても楽しめるよう、植栽の方法や角度を工夫し、色鮮やかな植物たちをコンテナいっぱいに植栽しました。
県立智頭農林高等学校
テーマ「林業地『智頭町』~林の中のいやし~」
智頭町の野山の景観をイメージしてコンテナガーデンを制作しました。智頭町は約78%が杉をはじめとした林業地です。本校の演習林から切り出した杉の木をくりぬいたものをプランターとして活用しました。智頭の山々ではリンドウやエビネラン、セッコクなどの様々な山野草が咲いており、それらを先輩方が代々増やしてこられたものを使っています。また、智頭町のドウダンツツジなどの花々も植栽しました。
智頭杉で作った格子を藤棚にして、智頭農林高校のスクールキャラクターである森の妖精「ちのりん」も配置されています。
県立倉吉農業高等学校
テーマ「緑を愛し、緑に愛される世界に」
水と緑の美しい惑星「地球」の新たな時代は、環境に優しい心と自然との共生が大切だとい思い、「緑を愛し、緑に愛される世界に」をテーマにコンテナガーデンを制作しました。そこには、日本文化の美意識的要素と自然美を生かしながら、生命の流れを表現しています。自然石には鳥取県を代表する佐治石を使用し郷土愛の彩りを表現しました。また、物語の世界にあるような可愛い「みどりの妖精」を苔玉で表現し、またコンテナの表面にはナラカシワの樹皮を張ったり県産材の間伐材の杉丸太を加工して作り、コンテナも含めて緑の生命の誕生を表現しました。
県立日野高等学校
テーマ「未来への懸け橋」
四季を織りなす大山、緑に恵まれ豊かな自然につつまれたふるさと。自然を愛し、先人達が守り、育て、築きあげた緑豊かな里山や田園の景観。
昭和、平成、令和と、時は流れ、時代は移っても、庭に色とりどりの草花が咲きほこり、道にはみどりがあふれ、身近にみどりとふれることのできる環境であって欲しい。50年後も、100年後も、人がみどりに親しみ、みどりを愛し、人と自然が共生するみどりの社会が実現できるように、未来への懸け橋としてコンテナガーデンに表現しました。
ナチュラルガーデンボランティア
この鳥取で自生する植物をメインに作成したプランターです。私たちは、第30回全国都市緑化とっとりフェアの開催を契機にナチュラルガーデンづくりや普及に取り組む人材を育成することを目的とした組織を引き継ぎ、鳥取の特徴あふれる風土の魅力を発信するため市内の花壇で活動を行っています。
小さなプランターに鳥取の魅力をつめあわせ、“身近な緑を暮らしに取り込む「鳥取流緑化スタイル」”が少しずつでも各地に広がってほしいという思いを込めて作りました。
ナチュラルガーデンとは?
地域の風土や植え付ける土地の生育条件に適した植物を使い、その植物が本来持っている自然の力を活かした庭造りの方法
○前日の第30回全国「みどりの愛護」のつどい記念レセプション
全国からお越しいただいた皆様を歓迎するため、また、相互に交流をしていただくため、秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお招きして、盛大に記念レセプションを開催しました。