冠動脈
急性冠症候群に対しては365日(24時間)対応できる体制をとっており、心臓カテーテル検査は年間約650例、カテーテルインターベンション治療は年間約220例(約60例は緊急治療)を行い、良好な治療成績を上げています。近年求められる機能性虚血評価も積極的に取り組んでいます。東部地区では唯一、FFR-CT検査の施行が可能となりました。また、ローターブレーター使用の施設基準を東部で唯一満たしており、2020年よりオービタルアテレクトミーを導入し、他院では難しい症例の治療も行っています。
また、冠動脈CT検査(年間約750件)、FFR-CT検査(年間推定120件)、心筋シンチグラフィー検査(年間約120件)、心臓MRI(年間約60件)と外来検査の充実により入院での心臓カテーテル検査を行うことなく診断が可能になり患者さんの負担軽減に繋がっています。
当院では、年に100人程度の心筋梗塞の患者さんの治療を行っています。急性心筋梗塞の最大の原因は冠動脈の動脈硬化の進行であり、脂質異常症はその最も大きな要因となっています(1)。心筋梗塞になった患者さんは再発する可能性が高く(2)、心筋梗塞再発予防には脂質(コレステロール)の管理が重要とされています(3)。しかし、日本において、心筋梗塞後の患者さんの脂質管理(目標LDLコレステロール(悪玉コレステロール)<70md/dL)は30%程度しか達成できていないとされています(4)。
この度、当院では、心筋梗塞の治療を行った患者さんに対して、下記のようなフローチャート(Figure 1)で脂質管理を行うことで、以前の管理と比較して、統計学的に有意な治療効果を示すことができました(Figure2)。
当院では、様々な取り組みで、今後も地域の患者さんの健康管理を進めてまいります。
(1) N Engl J Med. 2018 Aug 16; 379(7):633-44
(2) Lancet. 2021 Mar 13;397(10278):988-95
(3) Circ J. 2019 Apr 25;83(5):1085-1196
(4) J Atheroscler Thromb. 2023 Nov 1;30(11):1622-1634
<Figure 1>
<Figure 2>
不整脈
頻脈性不整脈
2012年から東部唯一の不整脈専門医研修施設として認定され、カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)を行っており、2019年よりクライオアブレーションも導入しました。年々件数を伸ばしています(図1)。医療被爆の低減を意識し、放射線防護用システム「ゼログラビティⓇ」を使用して手技を実施しています(図2)。
心房細動治療においては深い鎮静を行い、患者さんに苦痛のない治療を目指しています。
徐脈性不整脈
植込み型心臓デバイス手術は、年間約80例行っています(図3)。
2022年より、デバイス抜去術も開始しております。
植込み型心臓デバイスを挿入した患者さんには、ペースメーカ外来で(年間約400名)定期的にフォローを行い、ペースメーカ患者指導室で看護師(デバイスナース)が患者さんのニーズに対応しております。
他にもホルター心電図、イベントレコーダー、スパイダーフラッシュ、植込型ループレコーダーなど外来での不整脈精査も充実しています。
弁膜症
3D経食道超音波で詳細な評価に努めており、2018年より経皮的大動脈弁拡張術を導入しています。
心不全
包括的心臓リハビリを行っております。
心筋生検、心臓MRIも積極的に用いて、病状の正確な評価に努めています。
メッセージ
患者さん・ご家族の方
当科にはそれぞれの疾患に特化した専門医がおり、患者さん対し最適な医療を提供できるように努めております。ご心配なことは医師へご相談下さい。
医療関係者の皆さん
医師により専門性がありますが相互に協調して診療にあたっております。曜日に関わらずご紹介下さい。外来診療日程は当院ホームページでご確認下さい。