診療内容
呼吸器外科領域の主な診療について
肺がんに対する低侵襲手術
胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。低肺機能患者から80歳を超える高齢者まで低侵襲手術は可能です。 胸腔鏡手術は小さな傷、少ない痛み、早い回復が特徴です。2013年より3D-CTで術前シミュレーションを行い手術の安全性向上と手術時間短縮をはかっています。呼吸器外科専門医2名体制で手術を行っています。
低侵襲手術 (胸腔鏡補助下肺葉切除術 完全胸腔鏡下肺葉切除術)の様子
転移性肺腫瘍に対する手術
原発巣がコントロールされていること、他臓器転移がないこと、肺転移個数が限られている場合がよい適応になります。転移性肺腫瘍は抗がん剤治療も重要ですが、手術は集学的治療の一環として行う場合も多いです。
気胸、血胸、膿胸、胸膜炎に対する手術
気胸はできる限り再発させない治療をこころがけています。血胸、膿胸胸膜炎も救急で胸腔ドレナージあるいは胸腔鏡手術を行い対応しています。
巨大肺嚢胞に対する手術
低肺機能である巨大肺嚢胞には適応を慎重に判断しながら、胸腔鏡下巨大嚢胞切除術を行い、肺機能の回復や身体症状の改善を目指しています。
縦隔腫瘍に対する手術
縦隔腫瘍は多彩であり、悪性度、発生部位や大きさに応じて、開胸手術と胸腔鏡手術の適応を判断しています。
漏斗胸(ろうときょう)に対する手術
胸腔鏡を使用したペクタスバーによる胸骨挙上術を行っています。バーは平均3~4年留置後に抜去します。
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)に対する手術
手掌多汗症はまだまだ知名度が低い疾患の一つですが、当院でも積極的に手術療法を行っています。美容的配慮も考慮して細径の胸腔鏡を使用して「胸腔鏡下胸部交感神経切断術」を施行しています。
2泊3日の入院で手術直後から劇的な症状改善を実感されています。
乳腺領域の主な診療について
乳がん患者数は年々増加傾向にあり、女性の11人に1人が乳がんになる時代となりました。特に家事・育児・介護・仕事などで忙しい年齢に多く、周囲のサポートを必要とすることもあります。私たちは院内・院外の多部署と連携してあなたを支えるチームを作っています。同じ乳がんといっても一人一人の治療は同じではありません。一緒に考え、一緒に治療していきましょう。
初診の方へ
乳房に気になることがある方、乳がん診で要精査の通知が来た方の診察を行います。受付後、問診票に症状や生活背景などを記載いただきます。必要に応じてマンモグラフィ、乳腺エコーなどの検査を行ったあと担当医による診察があります。診察時間をご予約いただきますが、追加検査などで少しお待ちいただく場合があります。時間に余裕をもってお越しいただくことをお勧めします。事情があって時間に制限のあるかたは、外来受付までお申し出ください。
乳がん看護認定看護師
入院~外来を通してあなたの心に寄り添います。一人で悩まず、一緒にお話ししましょう。治療に伴う補正下着やウィッグなども提案させていただきます。
医療費や保険制度、治療内容などがん医療について幅広くご相談いただけます。
理学療法士による上肢挙上訓練を含めたリハビリを入院中~必要に応じて退院後も継続して行います。
外来化学療法室
化学療法専門の看護師によるケアにより、治療中のサポートを行います。
女性スタッフ
希望により当院では検査~治療まで、女性スタッフによる対応が可能です。女性スタッフを希望される方は外来受付までお申し出ください。
※スタッフが足りない場合、希望に沿えない場合もあります。
オンコタイプDX
術後化学療法の適応に悩む場合に行う検査です。保険外診療(自費診療)になります、詳しくは担当医までお尋ねください。
乳房再建
乳がんで乳房切除術をされた方がお乳の形を取り戻す手術です。当院の形成外科や近隣の大学病院の形成外科と連携しています。乳房再建については外来担当医までご相談ください。
乳がんの多くは遺伝するものではありませんが、5%程度の方は遺伝が関係しているといわれています。乳がん領域ではHBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)が有名です。当院では遺伝専門医による遺伝外来を開設しており、当科とも連携しています。遺伝子変異の可能性が高いと考えられる方はこちらから検査を提案させていただくこともあるほか、興味のあるかたは外来窓口またはスタッフまでお気軽にご相談ください。
乳がん検診・自己触診について
40歳以上の方は、2年に1度の乳がん検診を推奨されています。いつも同じ施設で定期的に検診を受けること、また月1度の自己触診をおすすめします。ご自分でお乳の変化に気づかれた場合は、検診を待たずに病院を受診するようにしましょう。
乳がんセルフチェック法 (pdf:427KB)
治療後・経過観察について
当科で行う定期検査のほかに、治療後の生活を健康的にあなたらしく過ごしていただくため、日々の健康管理や薬の処方などを地域の「かかりつけ医」と連携しています。またこの先の長い人生のなかで、乳がん以外の病気にかかるかもしれません。日頃よりご自身で体調管理を行い、気になることがあれば、かかりつけ医や外来担当医に相談するようにしましょう。
甲状腺・副甲状腺領域の主な診療について
当院は日本内分泌外科学会専門医制度の認定施設です。
内分泌外科専門医・日本甲状腺学会専門医が診療を行っています。
甲状腺疾患は多岐にわたりますが、当科では主に甲状腺腫瘤(悪性、良性)に対する手術、バセドウ病に対する手術、副甲状腺機能亢進症に対する手術療法などを行っています。心臓血管外科・耳鼻咽喉科とも連携して困難症例にも積極的に手術を行っているほか、放射線科とも連携して治療を行っています。
甲状腺がんに対する手術
甲状腺がんにはいくつかの種類がありますが、がんの種類や周囲への拡がりを総合的に判断して手術術式(甲状腺の半分切除、全摘出など)を検討します。また当院放射線科と連携して手術後の放射線治療(放射性ヨード内用療法)についても施行しています。
良性甲状腺腫瘤に対する手術
甲状腺腫瘤が増大し圧迫症状を来す可能性が高い場合や、がんの可能性が否定できない場合に手術を行います。当科で一定の基準を設け、適応がある場合に手術をお勧めしています。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に対する手術
薬でのコントロールが不良の場合や、副作用のため薬の内服が出来なかった場合に放射線治療や手術をお勧めする場合があります。
副甲状腺機能亢進症に対する手術
病的に腫大した副甲状腺があり、有症状などの条件を満たす場合は手術治療をお勧めしています。