2021年度、本邦の災害拠点病院で初めて新設され、災害医療に特化した診療を行います。
災害医療
自然災害や人為災害、さらにテロ災害などに対する危機管理や、病院テロを含む事態対処医療(TEMS)に関して、持続可能で現実的な体制を構築し、地域に貢献していきたいと考えています。
当院は鳥取県の基幹災害拠点病院として、DMAT(災害派遣医療チーム)を複数隊有し、原子力災害拠点病院(2次被曝医療機関から改称)としても体制を整備しています。
また、来るべき鳥取県内の局地災害医療の啓発のため、県内の全医療機関を対象に、講習会や訓練を毎年開催しています。
(統括DMAT隊員、国内外の災害医療に精通した日本DMATインストラクターがコマンダーとして活動します)
高気圧酸素治療 (HBOT)
高気圧酸素治療は組織の低酸素環境の改善や創傷促進効果などがあり、減圧障害、末梢循環不全による足趾潰瘍、放射線照射後の晩期障害の他、スポーツ外傷の軟部組織外傷などにも適用され、有効性を示しています。
(学会の安全基準に則り、高気圧医学専門医が、担当医と連携して治療を行います)
診療内容 (高気圧酸素治療)
カプセルホテルのような装置の中で、約90分間横臥した状態で治療します。
当院では下記の疾患に対して、高気圧酸素治療を適用しています。
時間内は地域連携室、時間外は救急外来にご一報ください。
主な治療適応は、減圧障害(潜函病/潜水病)、空気塞栓症、急性一酸化炭素中毒を代表とするガス中毒などの緊急を要する疾患ですが、近年、新型コロナウィルス感染症の後遺症(ブレイン・フォグなどの精神神経症状)にも有効な報告が国外で発表されてきております。いつでもお気軽にご相談ください。最新の情報を提供させていただきます。
加えて、突発性難聴、 重症軟部組織感染症 (ガス壊疽、壊死性筋膜炎)、骨髄炎、放射線障害なども治療適応です。
その他、頭蓋内膿瘍、急性末梢循環障害、重症熱傷・凍傷、広汎挫傷、コンパートメント症候群、圧座(クラッシュ)症候群、腸閉塞、網膜動脈閉塞症、難治性潰瘍を伴う末梢循環障害、皮膚移植、髄神経疾患、低酸素性脳症などにも適用されております。
診療実績
2022年診療実績 260件
メッセージ
- 鳥取県の基幹災害拠点病院としての役割を果たすべく、県内の医療施設や行政を含めた関係機関と連携し、最適の災害医療を提供するために、計画・準備・訓練を行います。特にテロ対応を含む事態対処医療にも力を入れています。
- 近年、エビデンスが蓄積されてきた高気圧酸素治療(HBOT)ができる東部圏域唯一の施設として、専門的治療を行います。