鳥取県東部地域の腎臓病診療を担い、
新規の透析導入を
減少させるとともに
透析患者のQOL改善を目指す
CKD(慢性腎臓病)への対応
CKDは患者数の多さ(1,330万人、成人の8人に1人)、末期腎不全への進行だけでなく、心血管疾患を起こしやすいことが大きな問題となっています。
かかりつけ医よりご紹介いただいたCKDの患者さんはエコー、CT、心血管疾患のチェック、栄養指導等を行い、引き続きかかりつけ医と病診連携しながら外来診療を行います。
末期腎不全に対する腎代替療法
末期腎不全に至った場合はしっかりと療法説明を行った上で、血液透析、腹膜透析、腎移植の選択を行います。血液透析導入後は近隣の透析施設で維持透析を受けてもらいます。腹膜透析は引き続き当院で加療します。腎移植を希望された場合は、献腎移植では日本臓器移植ネットワークに登録を行い、生体腎移植では移植施設(鳥取県内では鳥取大学医学部附属病院と米子医療センター)に紹介いたします。
糸球体腎炎に対する治療
慢性糸球体腎炎ではクリニカルパスによる4日間の入院で腎生検を行い、その結果で治療を行います。IgA腎症では扁桃摘出術+ステロイドパルス療法を行います。
ネフローゼ症候群では腎生検で確定診断を行い、ステロイド、免疫抑制薬等の治療を行います。症例によってはLDL吸着療法やリツキサンによる治療を行います。
急速進行性糸球体腎炎ではステロイド治療等を行いながら、腎生検を行って、治療を進めていきます。全身性血管炎に伴った症例では膠原病内科とともに治療を行います。
ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)に対する治療
CTによる腎容積の測定、合併症検索として脳MRAによる脳動脈瘤のチェック等を行います。適応がある症例ではトルバプタンによる治療を行います。
診療内容
診療している主な疾患は以下の通りです。
慢性糸球体腎炎
ネフローゼ症候群
急速進行性糸球体腎炎
CKD(慢性腎臓病)
慢性腎不全
AKI(急性腎障害)
ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)
診療実績
2022年
腎生検数:63件
血液透析導入数:42例
透析実施件数:1,236件
メッセージ
当科は2019年4月に新たに開設されました。東部地域の腎臓病診療を担うべく、日々努力しております。腎臓病は多くの合併症をきたすことが多いですが、当院は総合病院であり、各診療科と共同で患者さんの診療に当たることができます。