女性特有の婦人科疾患においてエビデンスに基づいた医療を提供し、女性の健康をサポートします。
ハイリスク妊娠管理
地域周産期センターとして医療圏域の緊急母体搬送を年間100件程度受け入れています。多胎妊娠、合併症妊娠、胎児発育不全、胎児の先天性疾患などリスクの高い妊娠の外来・入院管理を行っています。胎児、母体の状態により適切な分娩方法、分娩時期の必要性を判断・提示します。すみやかな新生児管理につながるように、厳重な管理が予測される場合はNICUスタッフによる出生前訪問や、胎児心疾患が疑われる場合は小児循環器専門医による胎児心エコー検査も行っています。
また専任助産師によるさまざまな相談も適宜行っています。臨床遺伝外来では高齢妊娠の方の新型出生前検査(NIPT)やクアトロ検査、羊水検査も可能です。
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不妊治療(一般不妊治療から生殖補助医療)、不育症治療
不妊症については、一般的婦人科診察や血液検査を含む系統的検査により不妊原因の検索ならびに除外を行います。また、男性の精液検査を行っています。その上で自然妊娠の可能性がある場合には、一般不妊治療として自然周期あるいは排卵誘発周期での卵胞モニタリングを行います。さらに症例に応じて人工受精を行っています。高度の乏精子症や精子無力症などの男性不妊症、卵管性不妊症、原因不明不妊を含む一部の難治症例には体外受精・胚移植、顕微受精をはじめとする高度生殖補助医療を行っています。
また、昨今悪性腫瘍の治療成績の向上により、挙児を望まれる悪性腫瘍の治療歴を有する患者さんが増えています。がん生殖医療としてその重要性が求められており、当院では他科との連携により化学療法や放射線療法前の妊孕性温存として男性の精子、女性の未受精卵子あるいは受精卵(胚)の凍結保存を行っています。
不育症についてはまだまだ未解明な部分が多く、症例ごとに血液凝固能に関連する血液検査や流産絨毛の染色体検査を選択肢としてご提示しています。生児獲得を目指した抗凝固療法や抗血小板療法についてはその有効性が不明な部分も多く、適応については十分に情報提供を行った上で、実施しています。
顕微授精・・・顕微鏡下に精子を卵子の細胞質内に注入します。
体外受精では適切な環境下で受精卵(胚)を体外で培養します。
婦人科疾患
婦人科良性疾患の子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などで手術が必要な場合は、可能な限り腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術は、術後回復が早く、美容的にも優れています。患者さまのライフスタイルに応じた治療方針を提案し、方針決定を致します。婦人科悪性腫瘍については手術、薬物療法、放射線療法等、集学的治療を行っています。遺伝性腫瘍診療も行っており、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の方に対するリスク低減卵巣・卵管切除術も施行しております。臨床遺伝外来はこちら
診療内容
- 周産期(ハイリスク妊娠・分娩管理、出生前検査・診断など)
- 婦人科良性疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、性感染症、骨盤臓器脱など)
- 不妊症(一般不妊治療から高度生殖補助医療)
- 婦人科悪性腫瘍(卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がんなど)
- 女性のヘルスケア(月経困難症、思春期の婦人科的疾患、更年期症候群など)
- プレコンセプション外来(妊娠前の健康管理や相談など)
- HPVワクチンのキャッチアップ接種
メッセージ
当科では分野ごとに専門の医師が常勤しており、あらゆる疾患に対応しています。